”分離→加速”を繰り返すことで、宇宙まで行けるようになったロケット、その分離する方法は?
最近では世界で大小問わず日常的に打ち上げられるようになったロケット
日本では大型ロケット”H2A",堀江さんが出資しているインターステラテクノロジーの試験ロケット "MOMO"など年間で10回ほど打ち上げられている。
ロケットが宇宙まで行くというと高度100km以上が宇宙という定義。
宇宙飛行士がいる”宇宙ステーション”は高度400km、東京→神戸間の距離ぐらいの高さです。
宇宙に行くにはロケットが地上に落ちてこない加速度 第一宇宙速度:7.9km/s(1秒で7.9キロ進む:東京から神戸まで1分とかからず行けるほどの超高速!)が必要になる。
では、その超高速をどうやってつくりだすのか?
下町ロケットなどを観た人はなんとなくわかるかもしれないが、ロケットは一番下の部分:ノズルとよばれるところから高熱で高圧なガスを発してその反作用で飛ぶが、その1回の燃焼でそのまま宇宙までいけるというわけではない。
通常のロケットは多段式で燃料を使い切ったらその部分を切り離し、質量を軽くし、得られた加速を保ったまま、次の少し小さなロケットが燃焼→加速を1〜2回ほど繰り返して宇宙へ到達する。なので、2段式か3段式のロケットになることがほとんど。
固体燃料を使ったイプシロンロケットでは第1段ロケットで2km/s、第2段ロケットで4.7km/s、最後の第3段ロケットで7.9km/sに達し、その後、人工衛星を分離し、地球を周回する軌道へ乗せる。
この多段式、”宇宙旅行の父”とよばれている約150年前のロシアのロケット研究者、ツィオルコフスキーが 発表した「ロケットの点火された時の重さと燃え尽きた後の重さの差が大きいほど、より大きな速度を得られる」という公式によって人類が宇宙へも行けるようになった。燃焼による超高速ガスを噴射して速度を上げたら、その部分はどんどん切り離しにより軽くすれば、加速度的にすすむことができることがわかったのだ。
このツィオルコフスキーもある物語にふれたことでロケットの道へ導かれた。それがディズニーシーのアトラクションにもなっている”海底2万マイル”や”十五少年漂流記”で知られるフランスの小説家 ”ジュール・ヴェルヌ”。その中の作品”月世界へ行く”を読んだことで宇宙への扉が開いたとされている。
そう考えるとそれぞれに宇宙への扉へのきっかけがある、僕の場合は子供のころに見た当時大接近した”ハレー彗星”をこの目でみたことから、”宇宙への道”が始まった。
ところで、1段ロケットと2段ロケットの分離、日本のロケットの切り離しで多く使われるのが、火薬を用いた分離方式だ。ざっくりというと1段と2段、2段と3段の間は、分割されたリングをボルトを組み付けてリング状にしている。その組み付けているボルトやナットが火薬を使って切断されたり、分離することでそのリング状がバラバラになり分離されることになる。
(1段ロケットと2段ロケットをつなぐリング)
この火薬方式、ダイナマイトのような爆発力のあるものではないが、火がついたら”ドン!”と一瞬なので、どうしても衝撃が出てしまう。そのため、人工衛星のような軽量化が必要なものの分離では火薬を使わない分離方式が主流になってきている。衝撃が少なければ、そこまで頑丈に作る必要がなくなり、軽くできるからだ。
それはラッチ機構と呼ばれ、簡単にいうと扉の開け閉めにも使われている下のような機構で電気やガス圧で開いて、分割リングを外していくことで衝撃がかからないようにしている。
アメリカをはじめとする世界のロケットではこの方式が主流になりつつある。
イーロン・マスクのスペースXではガスを使って、ラッチ機構を動かし、分離をしている。そういう点では日本のロケット開発では遅れをとっているところかもしれない。
しかも、火薬を使うとなると安全性の問題もある。飛行機にライターを持ち込めないように、安全性を考慮しながら運んだり、取り扱いでも注意が必要になる。
そう、現在開発中のH3ロケットでも火薬でサブロケットを分離方法から、ガスを使って作動させ、機械的に分離する方法を開発している。
ただし、全く火薬が使われなくなるわけではない。ロケットは万一、飛んでいる間にトラブルが発生し、制御不能になった時、被害が及ばないように空中で”指令破壊”をする。
指令破壊は地上局からその電波を飛ばし、ロケットがそれを受信すると、破壊するための火薬が作動する。それによってロケットが破壊され、空中で粉々になり、人が住んでいるようなところや海上の船舶などに落下しないようにしている。
こういった点ではより大きな安全を守るために、取り扱いは若干危険な火薬を使用していくことは変わらないのだと思う。
(ファルコン9 ロケット 指令破壊 (2015年))
ロケットは 秒速7.9キロでのGを受けながら、大気圏を超え、空気の抵抗がわずかな地点到達する。そこで、速度はほぼ一定となり安定した飛行が可能となり、人工衛星を予定の軌道に投入する仕事がしっかりできるようになる。
ビジネスで収益を得ることも、これと同じことがいえるのではと思う。初めはなかなか収益に結びつかない。しかし、ロケットのように進み続けていれば、”あれ?なんだか(収益が)コンスタントに出てきている”という日がくるはずだ。
そのためには絶え間なく大きな火でなくてもいいから燃え続けることが大切。その火を絶やさないように僕も進んでいこう!