宇宙ちゃんねる (Uchu Channel)

宇宙ちゃんねる(Uchu Channel)を通して現役ロケット開発者がわたし自身が語る、ロケット開発の生の声、宇宙や星に関するいろんな情報を発信しています。 そして、この発信からいろんな人に宇宙に興味をもってもらいたい、日本の自然科学・宇宙産業をもっと活発にしたいと思っています。

宇宙のふしぎシリーズ① 宇宙ではなんで人やものが浮かぶの?

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宇宙や宇宙船のなかでは人やものがふわふわ浮かんでいるのを見たことがありますね。地球にいると浮かぶことはできないけど、なんで宇宙だと浮かべるんだろう?

(いま、宇宙ステーションには金井宇宙飛行士が滞在しています)

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ふわふわうかんでいる状態は”無重力(むじゅうりょく”といいます。ことばの通り、重さがない状態です。

”どうしてそうなるの?”というと力がつりあっていて、宇宙ステーションにいる人やものには力がかかっていない状態になるからなんです。なので、実は宇宙でも重力”がない場所はないのです。

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地球の周りをぐるぐるまわっている宇宙ステーションは1時間半で地球を1周しています。地球1周が約40000キロメートルなので時速にすると約28000キロメートルです。ジェット旅客機で時速1000キロメートルぐらいで、ロケットは地球をくるくる回る軌道に人工衛星を乗せるので、宇宙ステーションと同じ、時速 28440キロメートルです。東京~大阪間は約500kmなので、その時速でいくと約1分でつくことになります。そう考えるとロケットはとてつもない速さですね。宇宙ステーションはこんな速さで地球をまわっているので”遠心力”がかかります。車で急カーブのときに体が押し出されそうになるあの力です。宇宙ステーションでは遠心力と地球の重力が釣り合った状態になり、あたかも無重力な状態になるということなんです。ちなみに高度400キロメートルの宇宙ステーションでの重力は地上の89%とほぼほぼ重力がある状態です。

よくあるたとえが皆さんが水のはいったバケツをぶんぶん回しても中の水は落ちてこない。その時、”遠心力”と”重力”が釣り合っているのでバケツの水はおちてこない、でもゆっくりまわすと遠心力はよわまり重力にまけてしまい、頭に″ザブン”とかかってしまうんです。

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そして、もっと遠くの宇宙でも重力は存在します。それは、ニュートンの「万有引力の法則:重さがあるものはどんなものでも引き付けあう力が働く」があるからです。ある宇宙の位置にいたときは、そこから一番近い重さのある星から一番影響を受けると思いますが、わずかながら地球の引力の力も存在しています。もちろん人間も重さをもっているので、人間同士もわずかながら引き付けあう力があるのです。もちろん、皆さんもご存じのようにその力で”お隣さんとひっついちゃった”なんてことは起きず、ごくごくわずかな力ですが。しらべたところ「なぜ、重さをもっているとひきつけあうのか?」のしくみはわかっていないようです。