宇宙がもっと楽しくなる!宇宙関連の本「宇宙に命はあるのか」の感想
NASAで火星探査機の開発をしている小野雅裕さんの著書。日本人技術者が書いた思えない、作家のような語り口と文章に引き込まれます。そして、2年の歳月をかけて、文字が積み重ねられたことがずっしり感じられる宇宙に関する様々な歴史、現在進行形の最先端の宇宙への挑戦を掴み取ることができます。
人類が”ロケット”と使って宇宙へ行けるようになった道すじは映画のシーンのような描写で、頭の中で画が浮かんでくるようでした。特にヒトラー ドイツ軍と後にアポロ計画を成功させることになるフォン・ブラウンのやりとりは、トムクルーズの”ミッションインポッシブル”のワンシーンのような緊迫感が伝わってきます。
この本の大きなテーマは”イマジネーション”
人は本、メディア、他の人から得られる情報によってそれを組み合わせて″イマジネーション”することができる。これは他の動物だと過去の体験でそれを思い出すことはできるが、組み合わせて想像することができるのは人間だけではないかとおもう。
そして、改めて自分がやっている宇宙の仕事は人間がこの世のいる限り、絶対なくならない、大げさに言うと人類の進化をつなぎ続ける仕事、だから僕はこの仕事をしていると実感した。それはやっぱり、人が”イマジネーションし、進化をする”生命体であるからだと思うのです。
そして、この本に出てくる人物はみな、取り組む仕事に情熱的だ。僕も目指すものがあるが”情熱的に”できているだろうか。会社での仕事の障害(やりたりこと以外の他にやらないといけないの仕事)、家族との時間、そういうことで時間がないを理由にしていないだろうか。つまり、情熱が足りないのではないか(本気でやっていきたい)かとおもったりもする。
この本のタイトル「宇宙に命はあるのか」というテーマ、全宇宙と比べれば地球にある海の砂浜にある砂粒ひとつ(正確なたとえではないですがそれくらい地球は全宇宙に比べれば小さい)地球のまわりの10粒程度しか知らない僕たちはほとんど知らないのと同じ。だから、一歩つづでも進んで、進んで、”宇宙のどこかにわれわれと同じ命があるのか”という僕らの探究心を少しづつでも埋めていくんだと思う。