宇宙ちゃんねる (Uchu Channel)

宇宙ちゃんねる(Uchu Channel)を通して現役ロケット開発者がわたし自身が語る、ロケット開発の生の声、宇宙や星に関するいろんな情報を発信しています。 そして、この発信からいろんな人に宇宙に興味をもってもらいたい、日本の自然科学・宇宙産業をもっと活発にしたいと思っています。

ロケット打ち上げ”種子島宇宙センター”行って思うことは「進化」が必要

ロケット打ち上げ”種子島宇宙センター”は「進化」が必要 ロケット打ち上げ”種子島宇宙センター”は「進化」が必要 ロケット打ち上げ準備作業の実情は結構古臭い モバイルがつながりにくい・・・ ”何かに書く”ベースが主体の作業 では、今後どうすれば良いかを…

新しいh3 ロケットの開発には”失敗は付きもの”というマインドセット

日本では新たな大型ロケット”H3ロケット”の開発が進んでいる。打ち上げが2020年度に打ち上げ予定でそこを目指して、急ピッチで開発が行われている。 僕もそんなロケットの一部たずさわっている。 はっきりは書けないが”試験をする度にどこかが壊れる”といっ…

「台風被害で加入する保険金額はいくらが妥当なのか?」がわかるようになる衛星データの使い方

衛星データをつかった”世の中に役立って、収益につながるもの”のヒントを得ようと、先週、さくらインターネットが主催する”衛星データを使ったパネルディスカッション”に参加した。 これは前回のディスカッションの様子(出典:https://sorabatake.jp/8257/…

衛星データを使った”賃貸物件選び”のビジネス提案の結果はいかに

先月、グループ会社内でビジネス提案の募集があり、僕は宇宙に携わっていることすがら、人工衛星のデータを使った”人の暮らしに役にたつ”ビジネス案を考え、提案した。 内容は ”衛星データを使った住むのに最適な賃貸情報の提供” 「賃貸物件と衛星データ?」…

”ワインの栓コルクがロケットを守る”という時代の終焉 新たな材料で進化する!

地球の大気を突き抜けて、宇宙へ進むロケット その過程、ロケットは超高速で進むので、表面温度は空力加熱:空気の吹き溜まりができ、その中の分子の活動が超活発に動く運動エネルギー⇒熱エネルギーとなり約300度ほどの高温になる。 その為、ロケットには耐…

命の誕生に迫る惑星探査機の推進エネルギーもクリーンな時代に!

1997年、アメリカから一つの惑星探査機が打ち上げられた。その名は”カッシーニ” 「地球は太陽の中心を回っている」と”地動説”(この頃は地球を中心に回っている”天動説”が宗教上の観点からも根付いていた)に賛同した中世の天文学者”ガリレオ”が望遠鏡で土星…

”分離→加速”を繰り返すことで、宇宙まで行けるようになったロケット、その分離する方法は?  

最近では世界で大小問わず日常的に打ち上げられるようになったロケット 日本では大型ロケット”H2A",堀江さんが出資しているインターステラテクノロジーの試験ロケット "MOMO"など年間で10回ほど打ち上げられている。 ロケットが宇宙まで行くというと高度100…

日本のロケットは世界のロケットに対抗できるか(小型ロケット編)

本日は小さいロケットの話 人工衛星が小型化されどんどん打ち上がる時代 小型のロケットの需要も増えてきている。日本でも現在何社が小型ロケットの開発をしている。 後発組の日本の小型ロケットが世界で対抗できるかを考えてみよう 世界と日本の小型ロケッ…

群馬高専の超小型衛星と群馬で作られるイプシロンロケットのコラボ

7/4のヤフーニュースにも取り上げられた上毛新聞の記事 昨年の12月にJAXAが公募した ”革新的衛星技術実証2号機のテーマ公募”で採択された超小型衛星は群馬高専と高知高専が主体となって他高専と一緒に製作をすすめているものだ。 テーマは漢字の羅列でわかり…

”子供のうちから宇宙エンジニアのベースを” 宇宙ちゃんねるが考える「理科で宇宙を考える」

”男の子の小学生がなりたい職業”で「宇宙飛行士・宇宙関連」は2015年の4位からは落ちたもののの、15位ぐらいとまだまだ上位にある。最近ではユーチューバー(6位)がかなり人気ですが・・・ その差は結局はお子さんの目にどれだけその職業が触れるかで決まって…

宇宙への長い旅 紫外線対策のように宇宙線対策が必要な話

宇宙旅行がニュースの話題にもちょくちょく出てくる最近、値段は非常に高額ですが、実際に行く人も出てくると思います。1週間とか程度ならよいですが、ほんとに火星に行くとなると短くても半年、往復では1年以上宇宙空間を旅することになります。 そんな時…

月・太陽の引力のおかげでサーフィンができる地球の海

わたし、宇宙ちゃんねるは会社でロケットを作っていますが、唯一の趣味で”波乗り”(正確にはボディボードにひざ立ちして乗るスタイル)を長年やっています。 最近は、海に行けるのは月1回ほどですが・・・(海なし県はやっぱり遠いので) そんな、サーフィン…

はやぶさ2 インパクター(衝突装置)で使用されたような火薬類は今後の宇宙開発にどう使われる?

4月のはじめ、はやぶさ2に搭載されたインパクター:衝突装置が作動し、つい先日、クレーターがしっかりできている映像が公開されました。 クレーターを作る理由は報道でもある通り、小惑星の表面は長い年月、宇宙線などでさらされ変質が進んでいるため、小惑…

これからの日本のロケットは、アメリカやヨーロッパ、世界のロケットに対抗できるか?(大型ロケット編)

今、日本では次期大型ロケット”H3”の開発がすすんでいる。 これは、現行のH2Aロケットよりも大型化し、より大きな衛星を静止軌道(高度36000kmで地球の自転を同じように動く軌道)に乗せる需要を実現させるためで、打上げコストも約50億円、射場での整備期…

理科で宇宙を考える その1 天気がある地球 天気がない月や金星

理科で天気の授業があります。晴れや曇り、雨の様子を時間ごとに観察し、天気がどう変わっていくかを予測したりします。 大気がないとこのような天気も起きません。大気がほどんどない月のように。 地球は引力によって、窒素や水素を酸素を逃げないように保…

2019年 亥年にふさわしい?猪突猛進型 のイプシロンロケットの打ち上げは間近!

2019.1.18(金) イプシロンロケット4号機は無事に7つの衛星を軌道に投入し、成功しました。複数の衛星があるとロケットとのインターフェース⇒フィットチェック(人工衛星との仮組み)はその分、回数がかかりますが、次回も多くの衛星を載せて、打ち上げていき…

ロケットのネジを1つでも変えていこう!日本の宇宙開発のために

今、日本の宇宙開発より先をいくアメリカ、ヨーローッパ、中国に追いつくのにたりなり要素、世界のお客さんに使ってもらうのに必要な要素、それは コストです。 日本は技術力と言う点では世界トップレベル、打ち上げ成功率も約98%と信頼性は高いものを持って…

”下町ロケット”は終わりましたが、確かに近い未来の人工衛星の使い方はたくさんある

宇宙では、”下町ロケット”を結構、地でいっている宇宙ちゃんねるです。お客さんの多くは、帝国重工ならぬ、M重工ですし。 今回の下町ロケットも善悪がはっきりしていて、”胸が熱くなる場面”多かったですね。なので、みんな観たくなるんだと。あとは持って生…

国主体でもなんでもいいじゃない、とにかくロケットを打ち上げよう!

先日、国内唯一(運用していると言う面では)の中型ロケット”イプシロン 5号機”で打ち上げる人工衛星などが発表されました。 JAXAが公募した中から15件の案件が採用されました。内容としては大きく3つ ①ロケットに使われる部品や装置 ロケットと一緒に打ち上…

近いうちに人工衛星をつかってできるようになることのモデル案を考えてみた その①

世界では民間の企業での大型・小型問わずロケットの打ち上げ、人工衛星の製造がここ数年、にわかに活況となっています。代表格はやっぱりスペースXで、皆さんもご存じではないですかね。火星へテスラモーターのロードスターを飛ばしたり、ロケットを再着陸さ…

ロケットの打ち上げ前の機器の異常はどうしてなくならないのか?

天候不順で打ち上げが延びていたH2Bロケットの打ち上げが推進系の異常で打ち上げが直前で中止になってしまいました。具体的には液体酸素の圧力を調整するバルブが既定の圧力に行かない前に圧力が抜けてしまう事象になったということです。会見でもあったよ…

一生に一度は。ロケットの打ち上げをリアルで見たい!

打ち上げの情報など、SNSで発信していると「ロケットの打ち上げをリアルで見てみたい」と言うコメントをもらうことがあります。世界だとそれぞれの国やロケット燃料が少なくて済む赤道付近での打ち上げ場所があるのですが、なかなか海外まではと考えると日本…

これからの宇宙への人類移住計画を考えてみる。

最近、髪を切りにいつも行っている美容院のオーナーに 『宇宙のブログ書いてますよね、いやーすごいですよね』 『ブログ、内容ってわかりやすい?』 『・・・・』 ということで、読んでもらう人にわかりやすく書かなきゃ(じゃなきゃ全然伝わらない)と思い…

15年ぶりの火星大接近は終わったが、実は8月はある意味見ごろ

ニュースでも火星大接近って最近やってましたよね。前回は2003年、ちょっと調べたらこの年に六本木ヒルズはできた年でした、見たぐらいで行ったことまだ、実はないですが。火星は地球のすぐ外を回っている星なんですが、火星の1年は地球の約2倍なんで火星の1…

”宇宙での機動力”も電気エンジンの時代になる。

最近はそこそこ電気自動車を見かけるようになりましたね。まだまだ、ガソリン車なのでちょっと調べてみたところ、完全な電気自動車は新車として販売される0.5%ほどの割合でした。でも、確実に電気自動車にかわる時代はやってきます。”イーロンマスクは世界…

【宇宙×エンタメ】 ”人工流れ星”をつくる!人工衛星できることが増えてきている

タイトルを見て”流れ星”で人工でできるの?っておもったひとがほとんどかもしれません。年に何回かニュースで「今週はしし座流星群がよくみえます」なんていうのがありますし。流星群→流れ星は地球が1年かけて太陽を1周するある場所に”彗星が通った軌道に落…

インターステラテクノロジズ 民間ロケット打ち上げ失敗で感じた日本の宇宙産業にかけているもの

先日、実業家の堀江貴文さんが出資している宇宙ベンチャー:インターステラテクノロジズの2号機ロケットが失敗したときに知人から 「ロケットの打ち上げ失敗ってこんなもんでしょうか?」と質問がありました。 ロケットの開発では基本設計→詳細設計、そして…

はやぶさ2 小惑星リュウグウ到着で地球とのデータのやり取りは何分かかる?

”はやぶさ2”小惑星リュウグウへ到着です。 地球との距離は3億キロ。画像の通信は望遠カメラが小惑星リュウグウをとらえた映像はこんな感じでニュースになっていましたね。 3億キロは地球のすぐ外を回っている火星と地球の距離が標準的に2.3億キロ、そのさら…

工業高校からも”宇宙の仕事チャンス”あり! 宇宙業界就職マニュアル(技能編)

宇宙業界、宇宙関連の会社で働くのは何も理系大学卒の技術者だけではありません。 実際、僕の会社にもいろんな人がロケット作りに携わっています。 これから、”自分でロケットに触ってロケット作りがしたい”と思っている人はどんな技能を身につけるといいか…

宇宙がもっと楽しくなる!宇宙関連の本「宇宙に命はあるのか」の感想

NASAで火星探査機の開発をしている小野雅裕さんの著書。日本人技術者が書いた思えない、作家のような語り口と文章に引き込まれます。そして、2年の歳月をかけて、文字が積み重ねられたことがずっしり感じられる宇宙に関する様々な歴史、現在進行形の最先端…