宇宙ちゃんねる (Uchu Channel)

宇宙ちゃんねる(Uchu Channel)を通して現役ロケット開発者がわたし自身が語る、ロケット開発の生の声、宇宙や星に関するいろんな情報を発信しています。 そして、この発信からいろんな人に宇宙に興味をもってもらいたい、日本の自然科学・宇宙産業をもっと活発にしたいと思っています。

ロケットの打ち上げ前の機器の異常はどうしてなくならないのか?

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天候不順で打ち上げが延びていたH2Bロケットの打ち上げが推進系の異常で打ち上げが直前で中止になってしまいました。具体的には液体酸素の圧力を調整するバルブが既定の圧力に行かない前に圧力が抜けてしまう事象になったということです。会見でもあったように正常の圧力がかからないと液体燃料が規定どおり供給できない→宇宙へ飛び出す推進力がでない→打ち上げ失敗につながります。

 

車も時々リコールが起こりますが、車の種類の割にはそれほどリコールが出ない。ロケットはまだまだ生産している絶対数が車と比較にならないほど少ない、つまり”経験””実績”が少ないので、こういった事象が起きやすいんだと考えています。 言い換えると、”技術が成熟していない”ということにもなると思います。

 

推進系統の異常”というとよくあるのが、今回もあったように配管やバルブからの漏れです。漏れがなぜ起きるのかは

・接続部の取り付け不備

・パッキンやOリングの欠陥

なども考えられますが、そこは組み付ける時にしっかり見ているかと思います。

そうすると

・金属溶接の箇所からの漏れ

がけっこうありうる原因です。

僕はロケットの骨組みを作る構造系と言われるところの金属の溶接技術を担当した事が有ります。かなり高い強度を要求される箇所であり、その特殊な硬い金属をしっかりもう一方の金属と溶接(厚み分が全て溶接されるまで)する必要があり、高い温度で溶接しないといけないものでした。材料がもつ限界近くの温度で金属どうしをくっつけていきます。

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しかし、そこまで上げると熱がかかるところが、急に冷えて金属組織が粗大化し、溶接のさかい目で”割れ”が出やすくなる。イメージは細かい砂と10円玉ほどの石が隣合わさってくっついているような感じになってしまいます。組織の大きさが違ってくるのでその部分がもろくなっている。そうすると圧力がかかった時にそこからヒビが入って漏れてしまう。それを防ぐために金属をあらかじめ予熱しておいて急に冷えて組織がおおきくならないようになどの工夫をしています。

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ロケット、宇宙機の開発には新たな材料の開発が不可欠で、この辺りは化学の範囲になってきますが、どんどん新たな材料が開発され、上のようなロケットを作るうえでの問題点を解決してくれる材料の登場、それが宇宙開発がすすむ大きな一歩になっていくんだと思います。

 

一生に一度は。ロケットの打ち上げをリアルで見たい!

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打ち上げの情報など、SNSで発信していると「ロケットの打ち上げをリアルで見てみたいと言うコメントをもらうことがあります。世界だとそれぞれの国やロケット燃料が少なくて済む赤道付近での打ち上げ場所があるのですが、なかなか海外まではと考えると日本国内、実際にはロケット打ち上げ場所としては鹿児島の2カ所になります。(インタステラ―テクノロジーはまだ試験機なので省きました)

一つは種子島、島なので宿が少ないのが難点。打ち上げ時期は宇宙関係者でいっぱいだったりするので、宿が取りづらいというのと、島なので渡る手段は船(トッピー)か飛行機とちょっと手間ですね。

ということでもう1箇所が同じく鹿児島 肝付町内之浦、鹿児島の外れだが陸つづき、宿も取りやすいかと。(近くが空いてなくも陸つづきなので走れば宿はある)

また、ロケット打ち上げには延期がつきもの、どうしても天候(上空の氷結層や雷の発生確率があると延期に)やロケットのトラブルなどがやっぱり少なからずある。そういった点でも内之浦から打ち上げるのは固体ロケットのイプシロン、液体燃料を使うロケットに比べると液体配管系のトラブルが少ない(というか衛星の姿勢制御で使われているがそれ以外では液体燃料はつかわない)ので、打ち上げ延期のリスクがそういう点で少ないと思います。 

また、もし打ち上げが延期になった時も、種子島だと島一周はほどなく終わってしまうので、そういった点でも内之浦はちょっと足を延ばせば”桜島”も近いなどといった観光の面でよい点があります。(個人的には”サーフィンポイント”(波乗りもやりますので)が多くある種子島は好きです。板と波があれば好きな波のりを一日中できますので)

 

9月に入り、イプシロン4号機の打ち上げの準備も始まりつつあります。人生初の”ロケット打ち上げ”を見たい方は、4号機の打ち上げに鹿児島 肝付町に足を運んで見てはいかがでしょうか。僕も準備万端整えます!

 

 

 

 

これからの宇宙への人類移住計画を考えてみる。

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最近、髪を切りにいつも行っている美容院のオーナーに

『宇宙のブログ書いてますよね、いやーすごいですよね』

『ブログ、内容ってわかりやすい?』

『・・・・』

ということで、読んでもらう人にわかりやすく書かなきゃ(じゃなきゃ全然伝わらない)と思い、今回は僕とオーナーの会話して、想像して書いてみたいと思います。

 

(宇宙ちゃんねる) ”SFみたいだけど、人類移住計画があるの、知ってる?”

 

(オーナー)         ”いやー、知らないですね~、ほんとにできるんですかね?”

 

(宇)      ”そう、次のスティーブジョブスっていわれている、起業家のイーロン・マスク、僕と同世代なんだとけど、それでイーロン・マスクは本気で移住計画をやろうとしているんだ。マスクの自伝みたいなのよんだけど、ほんとにマスクは世の中を変えようと動いているだ、ジョブスが作ったiphoneが世界を変えたみたいに”

 

(オ)    ”それで、人間はどこに移住するんですか”

 

(宇)     ”火星だよ。宇宙はめちゃくちゃ広いから、間違いなく宇宙のどこかには地球と同じような環境の星、きっと生き物もすんでるほしがあるけど、今の人間の技術じゃそれを探すことができない。今はやっと探査機が太陽系の外にいってるぐらいだから、宇宙から考えたら、地球にある全部の海の砂のひとにぎり、いや一粒ぐらいかもしれないぐらい小っちゃいからね。なので、地球のすぐ外にある火星、水も地下にねむっているから、『開拓』すればすめるようになるといわれいる”

 

(オ)   ”フツーにすめるようになんですか、宇宙服着ないで”

 

(宇)   ”それはもっと先だろうね、少なくても百年はかかるといわれている。地球では問題になっているフロンなどの温室効果ガスを作って、植物などの生き物が生きていける温度にする。温室効果ガスは火星にたくさん化学工場を作り、火星にある成分でフロンなどのガスを作り出す。これだと酸素マスクはつけなきゃだけど、それ以外はフツーに暮らせるようにできると。火星で植物を育て、大気の酸素の量を増やして、大気をつくり、大気でおおわれると生き物が住める温度になってきて、雨が降り・・・なんていうと何万年という長い道のりがかかるからね”

 

(オ)  どのくらいでいけるんですか、火星までは?

 

 (宇)  "火星まではどんなに早くても今は数ヶ月、これをもっと早く行けるようにならないと”

 

(オ)  ”やっぱり時間かかりますね〜”

 

と会話形式もすこし想像力がなくなってきたので、もっと短い期間でいけるようになるには今の推進力よりも爆発的な推進力を生み出す方法、いまだと核融合の力が一番それを生み出しますが、やっぱり放射線が問題。放射線を遮断できる材料で考えると逆に重量が重くなって意味がなくなる。ということで、軽量かつ放射線を防ぐ材料の開発が費用なんですね。

 

他には地球との交信の問題、他にも太陽を挟んで地球と火星となると通信ができなくなるから中継所みたいなものも作らないと。

 

いろいろと課題はありますが、地球以外に住める場所を作っておくことは人間が生きるのびるためには必要なんだと思います。数百年後、火星に住む人たちのために、今のひとつひとつの開発が役にたつのだと思いながら、一歩づつです。

 

 

 

 

 

 

 

 

15年ぶりの火星大接近は終わったが、実は8月はある意味見ごろ

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ニュースでも火星大接近って最近やってましたよね。前回は2003年、ちょっと調べたらこの年に六本木ヒルズはできた年でした、見たぐらいで行ったことまだ、実はないですが。火星は地球のすぐ外を回っている星なんですが、火星の1年は地球の約2倍なんで火星の1年は地球の2年分をかけて、太陽のまわりを回っています。太陽のまわりを回っているから、地球と火星が同じような場所にいるのは約2年ごとにやってくるのですが、太陽のまわりを回る軌道は下の図のようにかたよっているので、もっと近づくのは15〜17年ごとな訳で、それが今回でした。

もっとも離れている時の距離は約4億キロ、7/31の最接近で5759万キロ、地球の直径が1.3万キロなんで、近づいたといってもめっちゃ遠いです。今はとっても輝いてるので南の空に赤い明るい光の星をみれます。ちなみに赤くみえるのは火星の表面は鉄分を多く含んだ土なので、鉄ってさびると赤茶色っぽくなるじゃないですか。あれと同じです。

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タイトルの”なぜ 8月は見頃”かというと8月以降は小学生でも起きている夜の8時くらいから見えるようになるんです。7月は星の高さが低すぎてもうちょっと遅い時間いならないと見えなかったんですが、8月は地球の位置が動いてくる(1年で太陽のまわりを回ってるので)のでもっと早い時間から火星が見えるようになるんです。(火星ももちろん太陽のまわりを回っていますが、地球の方が早く回るのでより見える時間が早くなる位置関係になります)

 

なので小学校のお子さんがいる方も、いつもよりひときわ赤い惑星から、夏休みの絵日記のネタにしてもよいと思います 。

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”宇宙での機動力”も電気エンジンの時代になる。

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最近はそこそこ電気自動車を見かけるようになりましたね。まだまだ、ガソリン車なのでちょっと調べてみたところ、完全な電気自動車は新車として販売される0.5%ほどの割合でした。でも、確実に電気自動車にかわる時代はやってきます。”イーロンマスクは世界の電気自動車年間販売台数を1億台にする”、1億台は年間の車の販売台数ですから、つまり”全てを電気自動車にする”と言っています。予測では2030年ぐらいではガソリン・軽油の車が30-50%の販売、電気自動車30%を占めるようになるとされています。まだ、ちょっと先ですが、こんな車のながれ、宇宙ではもっと早くそういった流れがつくられるそうです。

今まで、人工衛星や惑星探査機などの姿勢をかえたり、違う惑星に行くための”宇宙での機動力”は液体の燃料を化学反応させることで、高温のガスを吹き出し、その反作用で衛星や探査機がすすんでいきます。ちなみに液体の燃料は1種類の液体だけで触媒をつかってガスをふきだすもの、2種類の液体をたしてその化学反応でガスを吹き出すものがあります。あっ、”触媒”って覚えてますか?僕もおぼろげにしか覚えてなかったけど、中学の理科でやったやつです。ビーカーに黒い小さな玉みたいな二酸化マンガンをいれ、その上から過酸化水素を流し込むと、すばやく水と酸素になり、ぶくぶく酸素がたまっていく。その実験の二酸化マンガン”触媒(化学反応がはやくなるように助けるもの)”です。学校で習う『理科と宇宙』はこんな風につながっています。

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そして今、宇宙で盛んに行われているのは電気を使って進んでいくもの”電気スラスター”と呼ばれているもので、わずかな燃料で遠くへとばすことができる。そうすると何がいいか?

”燃料をちょっとしか使わないので、より遠くの宇宙へ出かけられる”、太陽系を超えて、銀河系へ旅立てます。新しい宇宙がみれるかもしれない旅へ進めます。きっと、この技術はいずれ、人も運べるくらいパワー(威力)をもち、僕らを太陽系から解き放ってくれると思っています。そして、少ない燃料なので、やっぱり機体が”軽くなる”、重い荷物をもって旅にでるのは燃費をくうだけですから、より軽いほうがいいです。

電気スラスターってどうやって?とおもうかたにざっくり説明。図のような筒の中でイオン化されたものが筒の中で加速され飛び出すことで推進力をうみます。他のロケットや人工衛星が進むのと同じ、反作用で進んできます。(これも中学生の理科でならう”作用反作用の法則”)

 

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こうやってみると学校でならう理科と宇宙開発はいろんなところでつながっています。当たり前といえば当たり前ですが。改めて、宇宙が好きな子にこんなことを伝えられたら、もっと理科を好きになって、未来の僕、いや、未来の天才ロケット開発者が作れそうな気がしてきました。

 

 

 

 

 

 

 

【宇宙×エンタメ】 ”人工流れ星”をつくる!人工衛星できることが増えてきている

タイトルを見て”流れ星”で人工でできるの?っておもったひとがほとんどかもしれません。年に何回かニュースで「今週はしし座流星群がよくみえます」なんていうのがありますし。流星群→流れ星は地球が1年かけて太陽を1周するある場所に”彗星が通った軌道に落ちたチリやゴミ”があってそれが地球に落ちてくると流れ星になるので、毎年同じ時期に流れ星が現れるんです。

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それを人工で作る場合はどうするか?

まず、流れ星のものとなる”玉”(残がい(チリなど)にかわるもの)を人工衛星につんでロケットで打ち上げます。(ここで使われるのが僕も作っている”イプシロンロケット”)ロケット打ち上げ後、人工衛星は地球の周りをまわる軌道に投入されます。よい時期がきたら、人工衛星から計算された速度、スピードで積んでいた玉が発射されます。

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その玉は猛烈なスピードで落ちていくので、玉の前面には大気が思いっきり集まります。大気がおしくらまんじゅう状態になるんです。そうするとどうなるか。おしくらまんじゅうと同じで、大気が集まっているところは温度が上がります。おしくらまんじゅうだとあったかいですが、超高速の大気の集まりはその中で大気がめちゃくちゃ動いているので、超高温になります。その運動しているエネルギーが光のエネルギーに変わって、輝き=流れ星を作り出します。

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そういえば、アニメなんかでよく頭を打つとその周りで光がとんでいますね。あれってまさにこの流れ星と一緒で、衝撃→光のエネルギーになっているのを表現しているのかもしれません。そして、この光のエネルギーは発射された玉の成分が元となるので、玉の成分で光の色をコントロールすることも可能なんです。試験ではある程度、予想された色が出ているようですが、あとは実際の宇宙で確認してみてのお楽しみだそうです。

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この人工流れ星、人工衛星を打ち上げてるんで、やっぱり、お金はかかります。億単位であることは間違いないです。大きなイベント、たとえばワールドカップとかオリンピックなど、花火じゃなく”流れ星”で彩るなんていうことができたら、めっちゃスケール感が大きくなりますね。

 

こんな風に人工衛星の使い方がいろいろ増えてきてます。いま、盛んなのはSAR(合成開口レーダー)衛星といって、レーダー(電波)の跳ね返りで地表を観測する精度が上がってきて、昼夜、雲がかかっているに関係なく地表をよりよく細かくみれるようになってきました。近いうちに地表に見えるもの全てがリアルタイムでより鮮明に見えるようになってくる時がきます。

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そうすると今までできなかったことが、どんどんできるようになってくる。僕が今いろいろアイデアを考えているのは、

水位がリアルタイムでわかる”これによってもっと早く避難の警告を伝えることができる。(洪水で亡くなる人を減らしたい!)

”土砂の動きをリアルタイムで感知する”(こちらも予兆の動きがあれば、土砂崩れで亡くなる人を減らせる)

道路の陥没をリアルタイムで知らせる”(その道を通ろうとしている人にいち早くしらせることができる、アプリとかで)

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海やプールでおぼれている人を早く見つける”(監視員でなくても、”宇宙からの目”の精度があがればできる可能性あり)

混雑時のパーキング最適案内”(ぐるぐる空きスペース探しや駐車場めぐりをしなくてもすむようになる!)

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ショッピングモールの駐車場の埋まり具合で売上を予測する”(アメリカではすでにあって投資の指標として使われています)

などなど、今までは人がみてチェックしていたことがたくさんできるようになる。そんな企画を一つでも実現して近い未来の”便利””安全”を作り出していけるよう歩んでいきます。

 

 

 

 

 

 

インターステラテクノロジズ 民間ロケット打ち上げ失敗で感じた日本の宇宙産業にかけているもの

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先日、実業家の堀江貴文さんが出資している宇宙ベンチャーインターステラテクノロジズの2号機ロケットが失敗したときに知人から

「ロケットの打ち上げ失敗ってこんなもんでしょうか?」と質問がありました。

 

ロケットの開発では基本設計→詳細設計、そしてプロトタイプモデルなど何段階かの開発品フェーズを得て実際に使用までもっていくんですが、それぞれの段階で有識者によるレビューが必ずあります。

新しい、若い開発者が気がつかないようなところを知識と経験のある技術者の目からその設計が問題ないかを確認を。そんな関門を経て、仕様が決まったら開発品はロケットの使用環境に耐えられる、宇宙空間に耐えられるさまざまな試験を行います。

 

ロケットのエンジンだと

燃料となる液体や気体が漏れないかを確認する”漏洩(リーク)試験

エンジン部品がロケット飛翔時の振動に問題なく動くかと確認する”振動試験

そして、実際に開発したエンジンが正しく燃えるか、燃えている時に異常に温度上昇している箇所がないかなどを確認する”燃焼試験”があります。

メインの試験はこの”燃焼試験”です。一番試験費用かかりますが、実際のものとほどんど同じものをで燃焼させますので、模擬試験では得られないリアルな結果が得られるので重要です。

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今回もこういう流れは踏んでいるのかもですが、少し開発ステップの仕方や今までの知見などの点が弱いのかもしれません。

 

確かに宇宙開発に限らず、開発時には失敗はつきもの(というか失敗の数のほうが多いはず)なんですが、液体燃料を使ったもっと大型のロケット H2AなどはJAXA、三菱が開発し、何十回も打ち上げし、安定して成功しています。ロケットの大きさや使っている液体燃料の種類の違いはあれ、技術的に共通している部分は多いはず。

 

なので、JAXAやロケットメーカーが持っている技術を共有して、なるべく打ち上げ失敗となるリスクを減らしていくことはできるのではないかと思っています。それぞれが持っている固有の技術を秘密を守ると言うことも大切なことだと思うのですが、世界で宇宙開発で遅れをとっている日本では、そんなことは言っていられないのが現実でじゃないかなと感じています。

 

アメリカの宇宙ベンチャーとして既存メーカーをおびやかす存在となった”スペースX”もボーイングなどの優秀な技術者を引っ張って、今までではありえないスピードでロケット開発をして成功してきました。(最近、イーロンマスクの本を読んでそのことがよくわかりました。もちろん開発の段階で失敗も多く経験しているのも事実です。)

 

宇宙ベンチャーでロケット技術のキャリアがある元開発者などを雇用するのは資金面でもなかなか厳しい事情もあるなら、オールジャパンで協力して、これからニーズが高まる小型ロケット打ち上げ競争に立ち向かっていく必要があると思います。

宇宙ちゃんねるも宇宙ベンチャーの事情をきいてみて、何かできることがあればやっていこうと。自分の目指すところ:”日本を宇宙先進国に”の一歩になればと思います。 

はやぶさ2 小惑星リュウグウ到着で地球とのデータのやり取りは何分かかる?

はやぶさ2”小惑星リュウグウへ到着です。 

地球との距離は3億キロ。画像の通信は望遠カメラが小惑星リュウグウをとらえた映像はこんな感じでニュースになっていましたね。

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3億キロは地球のすぐ外を回っている火星と地球の距離が標準的に2.3億キロ、そのさらに外の木星までの距離が7.5億キロなので太陽系の中で移動になっていますんで、思っていたよりはるか遠くとではないです。が、2014年年末の打上げから3年半、3億キロの旅をしてきました。時速でいうと

3.5年:365×3.5=1277.5日×24時間=30660時間

300000000キロ÷30660時間=時速9784キロで進んできた計算になります。だいたい東京―大阪を4分弱で移動する感じです。ロケットの時速(28400キロ)よりは遅いですが、地球上では考えられないような速さですすんできました。 

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そして、交信で使われている周波数は

8ギガヘルツのXバンド

32ギガヘルツのKaバンド の2種類を使っています。

電波は光と同じ電磁波の一種なので、1秒間に約30万キロすすみます。

周波数の違いで1秒間に送れるデータ量が変わってくるので、32ギガヘルツのほうが

多いデータを送れます。

 地球との距離が3億キロですから、電波が届くまでに

300000000キロ÷300000キロ=1000秒

1000秒÷60秒=16.7分かかります。

※ 2019/2/21 訂正 計算が一桁間違っていました。

ちなみに

コマンド:地球からはやぶさ2へ交信

テレメトリはやぶさ2から地球へ交信

という言葉で表し、宇宙業界ではよくつかわれます。ロケットでも飛んでいる現在位置をテレメトリ機器が搭載されているので、その信号を拾って方向制御していたりします。

 

また、データはスマフォの”パケット”同じくパケットとしてデータをおくります。

パケット:データの単位です。

地球から送るコマンドは最大1000bps 、はやぶさ2側からのテレメトリが最大32768bpsですんで、インターネットで”1ギガ(bps)”の通信速度などと言っている量からくらべるとても小さな量を送るようになっています。

 

僕もたずさわった”再突入カプセル”は2年後の地球帰還まで続きます。”宇宙の昔の姿”が捉えられるようなサンプルを持ち帰ってくれればと思います。

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工業高校からも”宇宙の仕事チャンス”あり! 宇宙業界就職マニュアル(技能編)

宇宙業界、宇宙関連の会社で働くのは何も理系大学卒の技術者だけではありません。

実際、僕の会社にもいろんな人がロケット作りに携わっています。

これから、”自分でロケットに触ってロケット作りがしたい”と思っている人はどんな技能を身につけるといいかをお話ししたいと思います。

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 現代ロケットの主要部は画像のように”エンジン部”と言われるところ。

世界のロケットを見てもどれも金属の配管だらけです。

これはロケットで主流の液体燃料や液体を混ぜ合わせ化学反応し、気体となったガスが通る配管です。

これだけ入り組んでいる配管は絶対に液体や気体の”漏れ”があってはなりません。(今までのロケットや探査機の事故であったように漏れが発生するとそれが引火して爆発を起こし大惨事になるからです)

漏れを無くすためには”確実に密閉する”ことが必要になります。密閉方法は大きく2つあり

 

ゴムのような弾力のある(つぶれる)物を挟んでネジで締め付ける。

 

金属をとかしてくっつける。

 

があります。入り組んでいる箇所はネジで締め付けることができないので(そもそも手が入らないですね)金属をとかしてくっつける→溶接等でつなぐようにしています。

機械による自動溶接もどんどん進んでいますが、空間が狭いところではどうしても人の手による溶接をしないといけない箇所もあります。

そこで、”溶接の技能”が必要になってきます。繋ぎあわせる金属同士を一方にかたよらないでとかし、均一に力がかかるようにする、そして、裏も表も満遍なく溶けてくっついてることが要求されます。

溶接は工業高校や高専などではじめに習うと思います。溶接の基本を学び、ベースを作っておくとその道のプロ(この人がいないとロケットが作れない!)になれるかもしれません。

自動溶接ももっと増えてくると思いますが、これからも一定の溶接技術ニーズはあるのではと思っています。

どうしても機械でできないとことは必ずある。ロケット作りではこういった”自分の得意分野”を持っておくと就職には優位になるのではと思います。

 

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ロケットに限らず、宇宙空間で使うものは配管溶接をするものが多いです。例えば、宇宙ステーションの機器など。

くねくねした配管が入り組んでいるのを見たことありませんか。溶接は技と知識(溶接する金属の性質を理解する)ことが重要なので、宇宙の仕事を目指す人は溶接についての幅広い知識を身につけておくと役に立つと思います。

はやっぱり、実践(経験)を踏んで積み重ねていくしかないと思います。なので、今は知識をどんどん吸収していきましょう。

 

いくら自動化が進んでもまだ少しこの先は人に頼っていくことはしばらく続くはずです。

また、溶接に限らず、金属どおしをくっつける技術も知っておくといいです。

イーロンマスクが創業した”Space X"は自社で金属攪拌接合技術を用いてタンクの接合を確立し、新しいやり方を開発していたりします。

 

ロケットにとって良い技術:低コスト、安全性 を積み上げていけるようなことが、車が普通に走っているようにこれからの民間ロケットが普及するためにはめっちゃ重要なんです。

 

 

宇宙がもっと楽しくなる!宇宙関連の本「宇宙に命はあるのか」の感想

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NASAで火星探査機の開発をしている小野雅裕さんの著書。日本人技術者が書いた思えない、作家のような語り口と文章に引き込まれます。そして、2年の歳月をかけて、文字が積み重ねられたことがずっしり感じられる宇宙に関する様々な歴史、現在進行形の最先端の宇宙への挑戦を掴み取ることができます。

人類が”ロケット”と使って宇宙へ行けるようになった道すじは映画のシーンのような描写で、頭の中で画が浮かんでくるようでした。特にヒトラー ドイツ軍と後にアポロ計画を成功させることになるフォン・ブラウンのやりとりは、トムクルーズの”ミッションインポッシブル”のワンシーンのような緊迫感が伝わってきます。

この本の大きなテーマは”イマジネーション”

人は本、メディア、他の人から得られる情報によってそれを組み合わせて″イマジネーション”することができる。これは他の動物だと過去の体験でそれを思い出すことはできるが、組み合わせて想像することができるのは人間だけではないかとおもう。

 そして、改めて自分がやっている宇宙の仕事は人間がこの世のいる限り、絶対なくならない、大げさに言うと人類の進化をつなぎ続ける仕事、だから僕はこの仕事をしていると実感した。それはやっぱり、人が”イマジネーションし、進化をする”生命体であるからだと思うのです。

そして、この本に出てくる人物はみな、取り組む仕事に情熱的だ。僕も目指すものがあるが”情熱的に”できているだろうか。会社での仕事の障害(やりたりこと以外の他にやらないといけないの仕事)、家族との時間、そういうことで時間がないを理由にしていないだろうか。つまり、情熱が足りないのではないか(本気でやっていきたい)かとおもったりもする。

 

この本のタイトル「宇宙に命はあるのか」というテーマ、全宇宙と比べれば地球にある海の砂浜にある砂粒ひとつ(正確なたとえではないですがそれくらい地球は全宇宙に比べれば小さい)地球のまわりの10粒程度しか知らない僕たちはほとんど知らないのと同じ。だから、一歩つづでも進んで、進んで、”宇宙のどこかにわれわれと同じ命があるのか”という僕らの探究心を少しづつでも埋めていくんだと思う。

 

ロケットの作り方 その⑤ 1段ロケット、2段ロケットをつなぐ接手

以前、”ロケットのものづくり”をやっていたころの僕はこの部分「ロケットの接手部分」が担当でした。(ある意味 僕の専売特許です)

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この接手部分は文字通り、宇宙空間へものや人を運ぶ多段式ロケットの1段と2段、2段と3段といった各段のつなぎ目となるところです。つなぎめという役割以外にここの内部にはロケットの頭脳となる”電子機器”が搭載されています。例えば、最近のロケットでは人工知能の機器であったり、ロケットの姿勢を計測する機器、それらを動かす電池などです。

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この接ぎ手部分でも、やっぱり軽量化!ロケットをできる限り軽くすれば、それだけ多くの荷物や衛星を宇宙に運べるようになるので。”軽く”するにはどんな材料で作ったらよいか?身近にあって意外と強いもの、「アルミ」をよく使っています。ただ、アルミでもアルミの中に混ぜる成分をかえることによって、普通のアルミより”強さ”を持ったものを使っています。鉄の約1/3の軽さのアルミ。この軽さと強度は魅力的です。

さて、タイトルの”作り方”はというと、何個かのアルミのリングとSKIN(スキン:表面)と呼ばれるアルミの円弧状に曲がった板をボルトで結合していくことでアルミの円筒状の接ぎ手が形作られます。ボルトもほとんど、普通のボルトでなくアメリカの航空規格のボルトが使われています。なので、一般的なものと比べると高価なんですね。この辺は”もっとロケットを安く”していく上で、普通に世の中に出回っているもので、強度があるものに変えていかないといけないんだと僕は思っています。従来の実績にしがみついちゃっているんですね。 もっとロケットを身近にするには”こんなものもロケットに”という風にならなくちゃいけません。

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 ただ、ここ最近はやっぱりFRP:繊維強化プラスチックの出番が多くなっています。アルミよりももっと軽くて、繊維の方向で強度を作ることができる、ロケットでは多く使われるようになった材料です。表面はFRPですが、中にはおなじみ?の「アルミハニカム構造(生物の進化の過程で生まれた”蜂の巣構造”)です。自然界にある蜂の巣構造が実はもっとも力を分散し、そのものの強さを保つ、これは必然なんだと感じました。こちらの作り方は型にFRPのシートを重ねアルミハニカムをその上に詰め、その間には薄いフィルム状の接着剤を挟んでおきます。さらにその外側にフィルム状の接着剤、そして最外面にはまたFRPを積んでいきます。そして、それに熱と圧力のかかる炉に入れて固めていきます。軽さと強度を追求するものにはもっとFRPが使われていくようになると思います。ちなみに身近なものだと、スマフォの本体のケースや自動車のパネルまわり、見た目でわかりやすいやつだと、ゴルフのシャフト、釣竿なんかはまさしくFRPですね、よく”カーボン”なんて呼ばれているものです。ちなみにCFRP(Cはカーボン:炭素のC なので色が黒いです。炭素、鉛筆の芯のようなものですから)

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アルミにしろCFRPにしろ、中に入る電子機器とはアルミのプレートなどを介して、ボルトで結合します。車だと”タイヤのボルトのトルク掛け”(ボルトが緩んでこないようにある締め付ける力以上をかける)なんてやりますが、ロケットではほぼマストで”トルクがけ”を行います。ボルトが緩んでものが脱落したなんていうことがロケットが飛んでいる時に起きたら大変ですから。管理方法ももちろんしっかりしています。一般的には”トルクマーク”と呼ばれる表示をトルクがけしたボルトと組み付けたものに一本線で書いて、後でも緩んでいないかが一目でわかるようにしています。”トルクがけ”したかと”緩んでいないか”をチェックできるわけです。そんな風にロケット部品の組み付けはミスを絶対起こさないように細心の注意と確実にミスしないようにつくることの意識がすごく徹底しています!

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”池上彰の2018年宇宙の旅”でもあった無重力体験はなぜ出来るの?

最近、池上彰さんもTBSで宇宙の2時間番組をやっていましたね。このタイミングで宇宙の番組って何か意図があるんですかね、国が宇宙産業に1000億出資するニュースとかありましたけど。

 

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その中でイノッチが日本でできる”無重力体験”をやっていました。周りの人に聞くと宇宙に行かなくても「無重力体験してみたい!」と思っている人、結構いるみたいです。僕もやったことはないのでそんな”新しい体験”をしてみたいです。

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番組の中では「なんで無重力体験ができるのか?」は説明していなかったんですが、どうしてだと思いますか?以前のブログでは宇宙ステーションでふわふわ浮かんでいる宇宙飛行士の人たちは”無重力”ではないと書きました。(無重力でなく地球の引力と宇宙ステーションが地球の周りをぐるぐる回っている遠心力が釣り合ってると。その力の釣り合いでどこにも力がかかっていなくあたかも”無重力”になっているような状態なんですね)

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この日本でできる無重力体験は飛行機が重力だけしか受けない状態になるとその中にいる人は無重力を体験できるのです。飛行機をボールに例えるとわかりやすいかもですね。45度の角度で上へ投げたボールははじめは加速され斜め上へ飛んでいきますが、ある位置で加速はなくなり、重力だけを受ける状態になります。それが放物線を描いている時ですね。その中に人がいたら重力だけ受けたボールの中にいるんでふわふわと体が浮いてきます。そんな時間が約10〜20秒続く状態になり、無重力となるわけです。

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 この体験、料金を調べてみると日本では唯一 名古屋のDAS:ダイヤモンドエアサービスと言う会社がやっていて5〜7回の体験で30万ほど。”そこまでの過程を楽しむ”と言うのはありますが、なかなか手がでない金額ですね。数万でできればもっと応募者が増えそうですが、フライトのコスト的に見合わないのかもしれません。人件費(パイロット)、燃料代などが主に金額のかさむ所なので、”薄利多売”にして、お客さんをふやすとかフライト時間を短縮した”ショートプラン”でおやすくするとかでもっと多くの人が”無重力体験”を体験をできるようになれば、もっと宇宙への興味みたいなものが広がっていくんじゃないかなと思います。(実は先日、この企画の窓口になっている日本宇宙フォーラムの会長さんと名刺交換、少し話をしたので思い切って提案してみよう思います!)

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そして、この無重力体験の前後には2Gの加速度が人間にかかります。イノッチもそれを体験していました。ジェットコースターに乗った時に体が押さえつけられるような感じになる”あのG”です。いきなりスピードをあげて飛行機が加速しているのでさっきの無重力と同じように人にもGはかかりますよね。この”2G”の体験もロケットで人間が宇宙に行く時にかかる”3G”の体験に近いものがあるのでそういった意味でも”宇宙旅行の疑似体験”にもなりそうです。

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もしかしたらその人の”一生思い出に残る貴重な体験”。そんな、ワクワクする体験を広めていけるように活動してみたくなりました。”宇宙・宇宙産業”を広めようとしている僕の使命のような感じもします!

 

 

 

 

 

”波情報がリアルタイムでかつ正確にわかる”衛星画像を使ったビジネスアイデアを考えた!

先週、宇宙ビジネスシンポジウムにお邪魔しました。僕は昨年あった、宇宙ビジネスイデアコンテストに応募したのがきっかけでした。

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そんな中、宇宙開発利用大賞の表彰では、内閣総理大臣賞もあり、まさか!とおもったんですが、会場ざわつき「プレゼンターは安倍内閣総理大臣です!」のアナウンスと共に首相本人が登場!”生安倍首相”をはじめてみました。テレビではよくみているので、そこまで感動はありませんでしたが、聴きなじみのあるちょっと甲高いが、強い意志を感じる語り口で、政府として今後の宇宙ビジネスへの取り組みをお話しされていました。

「今後、5年間で1000億円規模のリスクマネー宇宙ビジネスに投資する。日本が宇宙ビジネスを国家プロジェクトから民間ビジネスにけん引する」というものです。

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ぼくが日ごろから日本を”宇宙先進国”へという思いを掲げて、発信・動いているのとシンクロナイズされたとうような気がします。この”追い風”を今後どう生かすか、ぼく次第です。

また、そういった話のなかで、今後衛星データのフリー化を行いビジネス活用してもらうことも行うとのことです。

そこで早速、身近なものと絡めたビジネスアイデアを考えてみました。

最近はあまり行けていないですが、僕は波乗り(ボディボード:ドロップニーといって

膝立ちで波乗りするスタイル:下画像(本人です!)をするのですが、事前に波の情報をつかむには波情報アプリ(有料です:300円/月ぐらい)を利用しています。

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最近はメジャーなポイントではライブ映像も増えてきましたが、波情報は定期的に更新され、ポイントによっては数時間おきに情報がかわったりします。でも、波情報も交通情報のようにリアルタイムでわかるほうがよいと思うんです。リアルタイムでわかると

最新の波や風の状態がわかる。(特に風向きがかわり始めたら悪くなるかよくなるかがすぐわかる)

どれだけ混んでいるか正確にわかる。衛星からのリアルタイム画像だと駐車場の空きや駐車スペースがあるか?なんていう情報もわかるようになる。

波情報だよりに行ったときには”実際いまいちな状態になっていた”なんてことはよくあるんです。なので、衛星データ(リアルタイムであることは確認しないとですが)を使って、より便利になるサービスができると[宇宙が身近に]感じられるんだと思います。

曇りの日は・・・・ちょっと下調べが必要ですが、光学センサーなどで検知して、地上の状態をみることができればサービスが「晴れの日しか提供できない」なんてことがないようにできるんだと思います。(ただし、今の波情報もそうですが、ローカルの方が大切にしているエリアは基本表示していないので、今同様にそういった配慮もしながらですね)

やっぱり”宇宙”を使った商売はもっと身近にならないと広まらないかなと常々おもっているんで(GPSとかみたいに)、こんなアイデアを考えて””できたらといつも頭の中を思いめぐらしています。

 

 

 

宇宙飛行士になるには その③ ”緊急対応力”はどう鍛える?

JAXAの宇宙飛行士選抜試験にはその人の宇宙飛行士になるための能力を見極める試験が多くあるがその中に”緊急対応力”があります。

  

突然ですがジェット機パイロット”というとまず何を思い出すでしょう。

年収?、木村拓哉が主演の「グットラック」?、きれいなキャビンアテンダント?などいろいろあるが、ぼくは映画にもなった「ハドソン川の軌跡」を思い出す。

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2009年、上空1000メートル、バードストライクにより両方のエンジンが停止した乗客155名がのった飛行機をハドソン川に不時着させ、全員が無事に生還した実は物語である。

トラブル発生後、わずか3分ハドソン川に不時着、お湯を入れてガッキーのチキンラーメンが出来上がる間に機体に起きている状況を把握し、”何が最適か”を最速・最適に判断したからこそなしえたことです。

そして、もちろん同じような出来事は宇宙に出た人間にも起きています。

映画「アポロ13」といえば、月着陸をめざし飛び立ったが、途中で酸素タンクが爆発し、月着陸は断念、数々の問題をかかえながら、宇宙飛行士と地上局の人々で懸命に地球に帰還することを考え、問題を解決し、無事に地球に帰還した映画です。「アポロ13」からさかのぼること5機の”アポロ8”ではアポロ13で船長となる”ジム・ラベル”が地球への帰還途中の操作ミスでアポロの位置データがおかしくなり、六分儀という船の航海で使われる位置を測定するで対応して姿勢をなおし無事地球に帰還しました。

(そう思うと映画「ハドソン川の軌跡」の機長役、「アポロ13」の船長役はともに”トム・ハンクス”でしたね。ちょっとした重なりですが)

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 (アポロ13 宇宙飛行士、それを支える地上スタッフが”熱い”映画です。アポロ13のような宇宙探査機ではありませんが、ロケットでも様々なトラブルを乗り越えて”打ち上げ”が成功した時、似たような”感動”を味わうことができます。)

 宇宙飛行士になった人でパイロット出身の人が多い理由の一つにこれがあります。

日ごろから大勢のお客さんを乗せ、何かあったときは即座に対応できるように訓練もされている。そして、何より実際にそういう場面に遭遇することが多く、緊急対応力の”経験”を多くこなしているということです。

また、この緊急対応力は仮に世の中の知能が”AI(artficial inteligence:人工知能)”にかわっても、そうそう人間にはかなわないのではと僕は考えています。それは、経験の重要なファクターですが、そもそも人間は動物で命の危険にさらされた時には”命を奪われまい”と動物そのものの本能が働き、緊急事態を回避するばか力を発揮すると考えているからです。今までの記憶にある出来事を頭の奥から根こそぎひっぱり出してきて、使えるものがないかと本能的に判断し、何とかその命を奪われるかもしれない事態を回避しようとうする。

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でも、パイロット弐なれる人ってごく限られた人しかいないですよね。パイロット以外の人たちはその緊急対応力をどう鍛えてけばを考えます。

宇宙業界ではよく不具合などの事態が起きたとき、”故障の木解析:FTA(fault  tree analysis)といった手法を使います。これは不具合の原因をつかむための手法でまず大まかな原因でカテゴリーを分け、その後は木が枝分かれするようにもっと細かい事象にして、原因となりそうなことを細かく出していきます。

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そこまでだと、”原因”となりそうなことがたくさんあることがわかっただけなので、そそれを今度はひとつずつその原因については確認していきます。具体的には作業の記録やプログラムの再確認などをして、原因をひとつづつつぶしていきます。その結果”原因はこれだ!”と断定はできなくても”可能性が高い”というものが残ります。原因がわかればどう対応すればよいかは決まりやすくなります。

こういうのも毎回毎回やっていると原因⇒対応策をすばやく端的につかむことができるようになると思います。これは宇宙産業限らず、同じような問題はどこの会社でもおきているので、日ごろから意識して”緊急対応力”を鍛えていくようにすればいいのではと思います。宇宙飛行士を目指す人には、やってみると”宇宙への道”がちょっと近づける第1歩になりますね。

 

 

 

”はじめに”

ぼくは子供のころから、星をみるのが好きで、親に買ってもらった天体望遠鏡でハレーすい星を夜中じゅう見ていたのをよく覚えています。そして、”将来は未来、人間が宇宙に行けるような未来をつくる仕事がしたい”と思うようになりました。ずっとあきらめずその目標に向かってすすんだことで、ロケットの仕事ができています。

 

いま、日本の宇宙産業はアメリカなどと比べ、遅れをとっています。それを挽回しようと国もあげて未来の大きなビジネスにつながる”宇宙”という産業を懸命に発展させようとしています。

 

ぼくはこのブログを通じて、宇宙のはなしや宇宙の仕事の情報やリアルな話を発信するしたり活動をすることで、宇宙・宇宙の仕事の”楽しさ””わくわく”を伝えていきたいとおもいます。そして、”宇宙ってたのしい”、”宇宙の仕事ってわくわくする、やってみたい”と思ってくれる人が増え、将来の開発者や宇宙関連の仕事につく人が増えるようにして、日本の宇宙産業を発展させ、日本を”宇宙先進国”にしたいと考えています。

 

ちなみに僕が考える”宇宙先進国”とは

・小学校の授業に理科とは別に「宇宙」の授業がある

・他の国に先駆けて、地球以外の惑星に”基地やホテル”をつくる

恒星から受ける熱や光のエネルギーだけで燃料を積まずにどこまでも行ける”探査機や宇宙船”を開発する。

・日本で宇宙に行った人が”100人に一人”はいる。

などです !!

 

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