宇宙ちゃんねる (Uchu Channel)

宇宙ちゃんねる(Uchu Channel)を通して現役ロケット開発者がわたし自身が語る、ロケット開発の生の声、宇宙や星に関するいろんな情報を発信しています。 そして、この発信からいろんな人に宇宙に興味をもってもらいたい、日本の自然科学・宇宙産業をもっと活発にしたいと思っています。

ロケットの作り方 第4弾( ロケット燃料を詰め込んだ モータとは)

”モーター”という言葉を聞くと、ダイソン掃除機の”モーター”や東京”モーター”ショーのモーターとか浮かぶかもしれません。

 

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JAXAさんより引用)

 

ロケットで”モーター”というと固体ロケットを動かす動力源になります。

2つの液体を合わせて燃やす液体ロケットは一般的には”エンジン”という呼び方をします。

 

 固体ロケットはその名前の通り、固体の火薬を燃やした熱が爆発的に気体:ガスとなり、そのガスの爆発的な圧力がロケットを地球からときはなつ推進力となります。

 

そんな、爆発的な力を発生させるところ”モーターケース”は熱にも圧力にも耐えうる強さを持ったものを作らなければなりません。

 

(具体的な作り方)

火薬を入れる”モータケース”は最近はだいたいが”繊維(せんい)やゴム”から作れています。

まず、火薬が入る部分の形取った型があります。

それに数ミリ程度の薄いゴムを何層か巻いていきます。

なぜゴムを巻くかは後程お話しします。

ゴムは巻いただけだと、それぞれが一体とならないので、大きな炉に入れ、熱と圧力をかけて固めます。

ゴムは固めただけだとデコボコしているので均一な厚さとなるように少し削ります。

 

”なぜ、デコボコのままではいけないか?”

ゴムの上にはこれから解説するように繊維を巻いていきます。デコボコだったら

その繊維が波うってしまいます。波うってしまうときれいにならべることで強さがでる

繊維がバラバラになり強さがでなくなってしまうからです。できあがったものはその強さを検査するために、中に水をいれて水圧をかけて検査します。その時に、水が漏れたら大変ですね。ロケットとしては使えないものになってしまいます。

 

次に巻くのは”樹脂を染み込ませた繊維(せんい)”です。

繊維と言ってもみなさんが抱くイメージの繊維と少し違うかと思います。

 

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 (東レさんより引用)

 

FRP:繊維強化プラスチックというのが正式な言い方なので、線状のプラスチックをイメージしてもらった方が近いかと思います。

 そんな繊維を固めたゴムの上にぐるぐる巻きつけていきます。巻きつけ方も強さがしっかり出るように工夫します。斜めに巻くとかです。繊維なので、洋服とかと同じように縦横と編みこむようにしていかないとまんべんなく強くできないのです。

そして何層か巻きつけ、巻きつけが終わったらゴムと同じように

 大きな炉に入れて、熱で繊維を固めます。この時は繊維に染み込ませた樹脂が

熱と圧力に反応して、カチカチに固まります。この樹脂と繊維の組み合わせでも

強さやもろさが変わってきます。

 

最後に他の部分との結合部は、さらなる強さが必要になる箇所なので、ここではアルミなどの軽い金属リングを使うことが多いです。

こちらは繊維と金属リングをボルトなどでつなぎます。

 

これで火薬を入れる筒”モーターケース”は完成します。

他の商品もそうだと思いますが、そこから、このものの強さは規格を満足しているかの

試験や内部に欠陥がないかのX線検査などをして、初めて使っても問題ないことを

認められます。

 

そのモータケースはその後、中に火薬を入れます。一般にはロケットの”推進薬”と

呼び方をします。

推進薬は爆発的に燃焼しやすいようにアルミ粉末や空気が空気がない状態でも燃焼するように酸化剤、そしてそれぞれを混ざるようにするゴム(バインダー:接合剤。※文房具のバインダーと同じ言葉です。)などを混ぜたペースト状のものを詰めていきます。ここでも燃焼時の高圧ガスがしっかりロケットの推進力になるように工夫された形状にペーストを流し込み時間をかけて固めます。

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推進薬が固まったら、形状を削って整え、モーターケースが

”モーター”として完成します。

そして再び固まった推進薬が問題ないかを非破壊検査などを通して、確認します。

そこで合格となったらやっと、全てが終わり”モーター”として完成です。

 

前にでた”なぜゴムを巻きつけるか”ですが、推進薬とモーターケースの間にゴムをいれることによって、モーターケースを推進薬の燃焼の熱から守るためです。

また、ゴムはそれ自身が推進薬が燃焼によって、ゴムも高温で溶けていきますが、

その時ガスを発生します。(ゴムを燃やすと変なけむりがでてくるやつです)

そのガスの発生でさらに溶けることを防ぐ断熱効果もあります。

 

結構長い道のりを経て、ロケットを動かす推進力となるモーターは作られます。

燃えている時間がたった数分ですが、作る時間は何ヶ月もかかるのです。

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JAXAさんより引用)

モーターはロケット打ち上げで燃えて分離された後は海に落下し、海底で魚の住処となります。

これだけ手間がかかっているので、もちろんコストもかかります。

これからはもっとロケットを安く打ち上げるために、使い捨てでなく再使用かもっとスピーディーにモーター作って安くしなければならないのが宇宙ちゃんねるの宿題でもあります。

 

またこれからはもっと比推力:重さに対して推力の大きさを大きくしていく、つまり軽いけどロケットを押し上げる力は強い”を目指さないといけません。

 ロケットが軽ければそれだけ重い人工衛星を打ち上げられるからです。

そのためには軽くても強い”新材料”の開発もどんどんしていかなくてはいけません。

そこは以前に記事にも出た”化学(ばけがく)”の力で切り開いていくのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は大きな流れ星が見えるかも!おうし座北流星群☆彡

今日12日(日)はおうし座北流星群が見頃を迎えます。 

おうし座は21時頃から東の空の少し高度がある位置に見えてきます。

ちょうどみなさんが見つけやすい、オリオン座の真上あたりにおうし座があります。

おうし座には明るい1等星でだいだい色のアルデバラン”(下の画の赤い星)があるので、それを目印に探すと見やすいでう。そのすこし上に流れ星の放射点と呼ばれる、流れ星のスタート位置があります。

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このおうし座北流星群は1時間に見える数は少なめで1個から数個と少ないですが、”火球(かきゅう)”と呼ばれるとても明るい流れ星が見れる可能性があります。この流れ星は地球が365日かけて太陽のまわりを一周している軌道上に、太陽を3.3年という短い周期で回っているエンケ彗星の通った軌跡があり、そこにはチリなどが残っています。そのため、地球の大気圏にそのチリが降ってきて大気圏で燃えてなくなる時に明るく輝くのが流れ星☆彡となるのですが、そのチリが大きいと”火球”となるんのです。

 

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(青くかがやくエンケ彗星)

 

セーラームーンに出てくるセーラー戦士に変身する”火球皇女(かきゅうプリンセス)”

はここからきているのかもしれません。

 

そして、今回の流れ星は比較的流れる速度が遅いですので、願いを半分くらいまでは

言えるかもしれませんね。

 

今日は晴れ渡り絶好の流れ星日よりの場所もあると思います。

早めにご飯を済ませて、澄んだ空の中、大きな流れ星を期待して見てみると

この日曜の夜のちょっとした楽しみができればいいですね。

 

 

 

星をみると太陽の最後の姿も見れます

50億年も先のはなしですが、太陽もいずれ終わりをむかえます。

 

太陽などの光り輝く星″恒星”が光っているのは、星の中心で核融合をおこしているためです。太陽ぐらいの大きさだと、その寿命は約100億年、太陽は約46億年前にできたので、あと50億年くらいなのです。

 

”太陽の最後”はどう変化していくか。

 核融合する主なものは水素なのですが、水素がなくなると水素が反応してつくられた

 ヘリウムがたまって中心核になります。その時、中心核は重力で縮んでいきます。

 一方その周辺では、残った水素が核融合をおこして、星は膨らんでいきます。

 中心部は非常に高温ですが、外側の温度が低いため、このとき、太陽の色は黄色から

 赤にかわります。赤色巨星と呼ばれています。

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その太陽の最後のほうの姿が、空を見上げたときにみることができます。

一番わかりやすいのはオリオン座のべテルギウスです。オリオン座の左上にある

1等星の赤く輝く星です。冬の空では簡単に見つけることができますので

みてみると赤くきれいに輝いていることがわかると思います。

その大きさは巨星というだけあって、仮にベテルギウスが太陽の位置にあった場合、

木星の軌道までの大きさとなります。想像を超える大きさですね。f:id:Uchu-Channel:20171111000305p:plain

 

 そして、その状態が数億年続きます。赤色巨星は、非常に大きくなっていますから

 その外側では重力がよわくなり、表面のガスがすこしずつ宇宙空間になられていきます。

 

最終的には白く小さな核の部分だけが残ります。この状態が白色矮星です

白色矮星ははじめのうちは核融合のなごりで熱をもち、白く輝きます。

 

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白色矮星ではおおいぬ座シリウスBという星がありますさっきのオリオン座の三ツ星を延長してたどっていくととても明るい白い星があります。これがシリウスAです。その横で蒼く光っているのがシリウスBです。

 

その横に距離は地球からは8.6光年。”シリウス”の言葉の由来はギリシャ語で”光かがやくもの”です。昔の人にも今と同じようにとても輝いて見えていたんだということですね。

 

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白色矮星は次第にその光はよわくなり、そして輝きを失い、”黒色矮星になると考えられています。

”考えられています”と書いたのはまだ、黒色矮星になった白色矮星がないためです。

白色矮星でいる期間が1000億年ほどあると計算されていて、宇宙の誕生が

138億年前ですから、時がたっていないのです。

 

その時、地球は?

まず、太陽が赤色巨星になったとき太陽は膨張していくので、太陽に飲み込まれるというのが有力です。もし飲み込まれなかったとしても、赤色巨星の熱で生命はいきていけなくなります。

 

それもなんとかクリアした場合、地球はどうなるか?

太陽は小さな白色矮星になるので、太陽からのエネルギーが地球にまったく来なくなり

地球は永遠に冬の状態が続きます。そうすると、植物はすべて死滅してしまいます。

連鎖的に草食動物も死に絶え、肉食動物も死に絶えます。永遠の冬では地表がマイナス200℃になるといわれているので、人間も地下に隠れないと死んでいまいますね。

電力は石油や原子力などで少しの間はエネルギーを確保できますが、そのうち尽きてしまいますね。

 

ただ、灼熱の時期が来る前、永遠の冬がくるその前に人間は他の星に移住できるようになっているだろうし、地球の資源がつきても他の星にある無尽蔵の資源をエネルギーに変換しているのだろうと思います。

 

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(スペースコロニー

 

もし、人類が50億年後も地球にいたらそうやって生き延びていくんだろうと。なにせ、人類は単細胞からここまで進化しているので、これからも進化、進歩しつづけていくものなんだと思います。

 

 

 

日本の人工衛星たち

明日10/10の朝はH2Aロケット準天頂衛星”みちび4号機”が打ち上げ予定です。

この”みちびき4号機”は測位衛星とよばれるもので、世の中でも有名なアメリカでつくられたGPS:Global Positioning System (グローバルポジショニングシステム)の日本版を目指しているものです。ちなみにこの4機のみちびきで一旦GPSの体制は完成します。

(みちびき4号機)

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ここで、人工衛星で間違いなく人間の生活にやくだっていると思うけど、具体的にどうやくだっているの?というのを整理してみたいと思います。宇宙ちゃんねるも人工衛星を上げる側なので、さまざま人工衛星ががあると正しく理解していないこともあると思うので。

 

人工衛星には技術開発/試験衛星、科学衛星、通信/放送衛星、気象/地球観測衛星、測位衛星、宇宙実験衛星にカテゴリー分けされます。

 

”技術開発/試験衛星”

 人工衛星新しい技術を確認するための人工衛星です。いまでは当たり前のように

 人工衛星についている太陽電池パネルもはじめは技術衛星で打上げでその有効性を

 確認していました。

 最近では通信衛星の高速大容量化の需要に対応できる大電力、大容量の技術試験衛星の開発がすすめられていて2021年の打ち上げを予定しています。通信衛星はCommuications Satelite :コミニュケーションサテライト、略してCSです。あの衛星放送のCSです。これからより、世界各国との番組とのやりとりは増えてきそうですよね。

なので、大容量化が必要なわけですね。
(技術試験衛星)

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また、2010年には 小型ソーラー電力セイル実証機 ”IKAROS(イカロス)”が

打ち上げられています。目的は太陽の光をセイル:帆でうけて進むことを実証し、

セイルに貼り付けた薄膜太陽電池太陽光発電の実証も行いました。この方式だと

衛星を動かすためのエネルギーは太陽光ですので、燃料が不要というところが画期的です。遠い宇宙では燃料の問題は必ずあるので、永久的につかえる太陽を含めた恒星の

光のエネルギーを使うことができるのです。

ちなみにこのソーラーセイルの推進する原理は”太陽の光子”がセイルに当たって反射するときに生じる反作用にとって動くのです。

(イカロス)

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(出典:JAXA)

IKAROSをうちあげているのはISAS宇宙科学研究所で今はJAXA:宇宙航空開発機構と統合されましたが、未来につながるおもしろい&わくわくする衛星をうちあげるのは

ISASなんですね。

 

次回は他の種類で未来を役立つ、世の中に役立つ衛星について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

宇宙のふしぎ 宇宙は無重力じゃない↺

宇宙に行くと無重力体験ができる!よく、宇宙の映像で映し出される

宇宙船の中でふわふわ浮いている映像です。

 

そう、確かに宇宙に行くと”無重力体験”はできます。

しかし、宇宙は”無重力”ではないのです。

 

そのしくみは・・・・

 

その”無重力の空間”はハンマー投げの選手がぶんぶん振り回すハンマーと同じ。

 

ハンマー投げの選手は

 こんな感じで自分も回転しながらハンマーをぐるぐる回していますね。

(ここはやっぱり室伏さん)

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 その時、ハンマーにはこんな力が掛かっています。

 回転運動をしているハンマー投げの選手はハンマーをまわしている時、強烈にハンマーに引っ張られますね。でも、選手はその力に負けないないように踏ん張り、ぶんぶんとハンマーをまわしています。その回転しているときに引っ張られる力が”遠心力”になります。そして、その遠心力に負けないようにハンマーを持ち続ける力が″求心力”です。そして互いの力は同じなので、つりあった状態になり回り続けるのです。

 

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そして、これが地球の周りをまわっている宇宙船や宇宙ステーション

の中でも同じことがおきています。この場合の”求心力”は”地球の重力”になります。

そして、宇宙船や宇宙ステーションは地球の周りを回転する上でいうハンマーなので、

引力と遠心力が釣り合った状態、つまり力が何もかかっていない状態になります。

なのでその場所にいる人はふわふわと浮いているのです。

ちなみにその重力は地上にいる場合の88%の重力を受けているので、仮にこの遠心力がなかったらすぐに地球に落っこちてしまいますね。

 

そして、この釣り合った状態にはそれをつくりだす速度(スピード)が必要です。

ハンマー投げも回転のいきおいがないとぶんぶんまわらず、ハンマーは地表におちてしまいますよね。

 

あと、遠心力でよく使われる例だと、水を入れたバケツをぶんぶん振りまわした時、

水はこぼれないのもおなじ”求心力と遠心力のつりあい”で水がこぼれてこないのですが、まわすいきおいがなくなると途端に水はこぼれてきますよね。

 

なので、地球の周りを回る宇宙船や宇宙ステーションもその速度(スピード)が重要で

早くもなく遅くもないちょうどよい速度ですすないといけないのです。

(ちなみに速すぎると、地球の重力とつり合いが取れなくなり、宇宙に飛んで行ってしまいます!)

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世の中にもこの現象は何か当てはまりますね。

”ともだちとの関係”や”お仕事と家族”も”バランス(調和)”が大事なのだと

いうことですね。

 

 

 

 

宇宙飛行飛行士になるには その② ”ひとの輪にはいって、みんなとうまくやっていくこと”は大切です!

宇宙飛行士なると、アメリカ、ロシア、ヨーロッパなどいろんな国の宇宙飛行士と宇宙ステーションという限られた空間で、長く共に暮らしていくことになります。

(今は常時6名程度が滞在しています。)

 

そういったことを考えると”宇宙飛行士になるには何が大切か”がわかってきますね。

 

そうです、他の人とうまくやっていく協調性や人を信頼すること、人を敬うことが必要になってきます。

 

学校やいろんなスポーツなどでみんなと一緒にやっていくことの機会は多いと思います。そういったときにみんなと一緒になかよくをやっていくことや時にともだちを助けたりすることは将来、宇宙飛行士になるためにはとても大切なことなのです。

 

そして、その中でも宇宙ステーションや未来の宇宙船の船長(キャプテン)になりたいと思っている場合は、みんなをまとめていく力も必要です。なので、キャプテンになりたいとおもっている人は学級委員であったり、スポーツチームに入っているのであればそこでキャプテンになったりで経験を積むことが大事です。

 

はじめはうまくいかないかもしれません。でも、いろんな経験をしてなんとかみんなをまとめていくことができたら、少し宇宙ステーションや未来の宇宙船のキャプテンに近づけるのではないかと思います。経験はみんなをキャプテンに近づける一番の近道ですね。

 

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宇宙チャンネル自身もまだまだですが、人をまとめていく立場にあります。

年も20代~60代までさまざまな人とやっています。年齢に関係なく

相手の気持ちのことを考えてやっていく、それと同時にあること(きびしいことでも)を決断していくという判断力も必要だと経験して思っています。

そんな経験も、未来、宇宙に行くときに役立つことになるんだとときどき

思いながらやっています。

 

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【2017】夏休み自由研究!夏休みの終わりに月のとなりにくる木星と土星をみよう!

夏休みも終盤です。早い学校は今週の後半から2学期が始まりますね。来週からという
ところと8/31までというところも多いようです。
 
夏休みの終わりといえば、宿題、それも自由研究があったりするのではないでしょうか?
 
自由研究のテーマにこまっているお子さん、おやごさんもいるかと思います。
そんなとき、これからちょうど間に合う月とセットで木星土星の観察をしてみませんか。という提案です
 
はじめは”月と木星です。
8月25日に月と木星を接近してみることができます。
日没後、西の低い空にかなり細長い月とその左に黄色っぽく光り輝く木星がみえます。
木星は月の次に明るいので、間違いなく見つかると思います。
時間帯も夜の早い時間なので、お子さんと観測しやすいのかなと思います!
肉眼でもあの木星黄色っぽい色がわかるので、時間とともにどう木星がうごくか
スケッチしたりで自由研究になるのではと思います。
また、双眼鏡や望遠鏡があればより色や模様がみれます。地球から7億5000万キロ離れた”ガスの惑星”木星の縞模様を観察したりもいいですね。
 
(アストロアーツさんより引用)
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そして、もっと夏休みぎりぎりは8月30日、今度は月と土星が接近します。
こちらも夕方から南から南西の空に半月ぐらいの月の左に明るいクリーム色の土星が見えます。
さすがに肉眼ですと色ぐらいですが、望遠鏡や双眼鏡をお持ちなら、”楕円っぽく見える”、”土星の環”が観測できます。今は土星の傾きにより、環が見えやすくなっているのでよく形がわかると思います。
そんな”土星の環”がどんな形で色であったかを画にかいてみるのもいいと思います。
こちらはさらに離れて15億キロのかなた”土星”を眺めてみるのもいい自由研究になると思います!
 
(アストロアーツさんより引用)

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天気もやっと晴れてきそうなので、星の観察はできそうです。虫刺され対策をして
外で夏の惑星を楽しんでみてください!!
こういった体験が、お子さんの好奇心をそだてるいい機会になるのだと思います。

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今日(8/12)は宇宙イベントが重なりました。

今日はペルセウス流星群(流れ星)が一番多く見れて、ちょうど衛星を乗せてH2Aロケット打ち上げもあります。
 
ロケットの打ち上げは
  
 もちろん宇宙チャンネルもこのロケット作りにもたずさわってきたので、無事に打ち上がり”準天頂衛星 みちびき3”を無事に衛星軌道に乗るように願っています。
 
 この衛星、”みんなの暮らしにはどう役立っているの?”と思う人もいるかもしれません。
 この衛星は皆さんも知っている車などに使われるGPS全地球測位システム:地球のどの位置にいるかを測定するシステム)衛星の測定精度をより向上させる目的があります。
 GPS衛星はアメリカの衛星で常に日本の位置を観測できる位置にすべてのGPS衛星がいるわけではないので位置精度が粗くなってしまいます。
 例えば、スマフォを持って歩いている人の位置が多く衛星があると1メートルの誤差で位置が
 わかるのに、少なくなると10メートルの誤差がでてしまうといった感じです。
 そこでGPS衛星と協力し、車などがどの位置にいるかを常に精度よく知るためにこのみちびきが必要となります。
 
この”みちびき”は日本を中心にアジア地域のみをよく見れるような軌道しているので、位置精度が上がるのです。
 
 もちろんそれ以外でも災害時のタイムリーに情報を流すことに使えわれたり、安否確認の
 情報を流すのにも使われたりします。
 
 そんな風にして、暮らしに密着して役立っています。 
 
8/20追記です。
 昨日、打ち上げが延期されていた人工衛星”みちびき”を乗せたH2Aロケットが無事打ち上げ成功しました。延期でやきもきしていましたが、成功のニュースを聞いて一安心です。これで夜はぐっすり寝られます‼️
 みなさんの声を聞いていると、やっぱり”打ち上げをこの目で見たい”という方が多いですね。実は宇宙チャンネルも仕事で打ち上げに立ち会ったことが一度もありません。どっちかというとロケットを作る側なので、打ち上げは違うチームがやるのです。打ち上げは天気とかでも日にちが変わってしまうので、種子島だとなかなか長期には滞在は難しいですね。将来はどこでもロケットが打ち上がるようになって、みんなが見れるようにまい進していきたいと思います。
 
 
 
 

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 さて、ペルセウス流星群ペルセウス座付近が流れ星の放射される位置になり、
 北東の空午後21時から午前4時ぐらいまで見ることができます
 
 流れ星のできる仕組みは以前に書いた流れ星のできる仕組みを

uchu-channel.hatenablog.com

と好奇心をくすぐられたら見てみくださいね。
 
 今日の夜から明日の未明にかけて、この”彗星がとおった足あと”に最も近づき、
 明かりのなりよく見える場所であれば1時間に30個ほど見れるとのことです。
 
 宇宙チャンネルの住んでいる地域では、昨日の予報だと曇りだったのですが、夜の21時以降は
 ずっと☀️に変わったので、子供たちを山の方に行って流れ星を一緒に見てきたいと思います。
 子供たちは流れ星を見たことがないので、子供たちの”感動する体験”になればいいかなと思います。
国立天文台さんより引用)

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宇宙の仕事に”何か”を残してみませんか?(宇宙ビジネスアイデア募集の案内です。)

今、JAXAさんのほうで、宇宙にある人工衛星・宇宙ステーションでの有人宇宙活動・

宇宙輸送(ロケット打ち上げ技術など)の技術そこで得られた衛星データなどを利用したビジネスアイデア7/18まで募集されています。

これらを利用したものであれば何でもいいです。

そうはいっても、

実現性ができそうか

・そのビジネスアイデア発展性があるか。

というのは審査ポイントになります。あと書いてあるのは″革新性”

あるかという点です。

 

宇宙チャンンル的にはこの中で”発展性”がもっとも重要かと思っています。

発展性とはビジネスとして開花するということです。商売として需要(ニーズ)があるということですね。それがないといくら実現できても、斬新でもビジネスとして

成り立ちませんからね。

例でいうと数年前、3Dテレビというのが発売されていたと思いますが、最近はめっきり聞きませんね。購入する人が”家で3Dで画像を見る”ということまで望んでいなかったのだと思います。迫力のある映像は家の小さなテレビではなく、大画面の劇場で、他の多くの人と一緒に見ながら、”驚き”や”感動”を共有できるということがニーズだったのだと思います。

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そう思って考えましたら、うーん、宇宙チャンネルの場合は、既存の宇宙技術やビジネスが脳みそを邪魔してあまり革新的なものが浮かんでいないです。

 

人工衛星のリモート技術を利用した子供さんや高齢の方の安全確保・追跡サービス

 (要はいつでもその人がどこにいるかわかるようになったら安心が得られるような)

 

人工衛星の情報をもとにした”最短ルートナビ”

 (リアルタイムで交通状況をつかみ最適な経路を教える。効率的な時間の使い方ができる)

など、思いつきそうなものばかりで...

 

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なぜ、宇宙ビジネスがなかなか活性化できていないかを考えて宇宙ビジネス案を作り出した方が良さそうです。

 ・コストが高い。(相乗り衛星でも数億円はかかる)

 ・様々な規制がある。(打ち上げ期間、場所、安全など)

 

そして、未来がどうなるか(どうなってほしいか)と想像して考える。

 ・誰でも宇宙へいける。

 ・宇宙への遥かなる旅ができる。

 ・宇宙の資源がエネルギー問題を解決できる。

 ・宇宙でできた成分が新薬になる。

 ・宇宙への輸送技術が地上の輸送に転換され劇的に移動時間が短縮される。

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(”2001年宇宙の旅”より)

 

ここから少し考えてみようと思います。

皆さんもいいビジネスアイデアがあったらぜひ応募してみてください🚀

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙業界への就職マニュアル (ちょっと番外編)

宇宙業界というとそんなに多くの企業は日本にはありません。
いわゆる大手は
ロケットを作っているところでは三菱重工業,IHI,川崎重工業
人工衛星側ですと 三菱電機,NEC
といったところです。
 
ただ、上のメーカーさんでも宇宙事業の売り上げ比率などを見て、メーカーで宇宙関係にどれだけの人が
たずさわっているかは確認しておいた方がよいです。
 
そのメーカーに宇宙ジャンル希望で出しても、メーカーで宇宙事業の割合が10%でしたら
一般的に考えると10人にひとりしか宇宙ジャンルにいけません。
実際にそういう新入社員の方は多くいます。
 
また、上のメーカーですべてのパーツを作っているわけではありませんので、
大手メーカーからの仕事依頼が多くくるメーカーさんもあります。
 
僕、宇宙ちゃんねるがしっているところでは
 
金属の構造体 日本飛行機、昭和飛行機
電子機器   シンフォニアテクノロジー、明星電気
ハーネス    東洋航空電子,各務原航空機器
電池      GSユアサ
火薬       日本油脂、中国化薬 
 
 
といったメーカーさんがあります。
 
あとはやはり”JAXA(宇宙航空研究開発機構)"さんに直接入ると言う学生の方は多いかと思います。JAXAさんに入ればキホン的には”宇宙に関すること”たずさわれますから。
 

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(出典 JAXAさんより)

上記はいままでの”宇宙業界”でしたが、日本でも少しづつ”ベンチャー”の動きが増えてきています。ご存知の方も多いと思いますが、堀江さんがつくったインターステラテクノロジ(ロケット開発)アクセルスペース(超小型衛星の開発・製造)、isapce(月面ローバーの開発、月面資源開発)、アストロスケール(スペースデブリ問題に特化した衛星の開発など)があります。これからは日本でもベンチャーが増えてくるのではないでしょうか。
 
みなさんが、ある技術や分野に強みを持って、宇宙業界に入っていく、乗り込んでいくという
道も”宇宙業界への就職マニュアル”でも紹介しているようにありますし、どういったポジションやライフプランで進むかによってもいろんな選択肢があると思います。

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大事なのは ”宇宙という未開の分野ではたらいていきたい”という強い意志それに向かう努力を続けることだと思います。
 
宇宙チャンネルも実際、新卒 就職時にはそういった企業を何社も受けながら、ダメでした。
しかし、そこであきらめずに継続して、”宇宙業界ではたらきたい”という意思をもって、行動し、それが結果的には実りました。
 
みなさんも”思い”があり、その企業にマッチしたスキルを磨き、あきらめなければ、きっと自分の望む”宇宙分野”にいけると思います。

ロケットの作り方 第3弾(ノズルとは?)

殺虫剤は”ノズル”から吹き出ますなんて言いますよね。
   ロケットも同じように”ノズル”と言われる部分は燃料が燃焼した
   時に生成される高温高圧ガスが吹き出て、そこがロケットの推進力ろなる重要な部分です。
 
  H2Aロケットの場合、吹き出し口は3000度ぐらいの高温となるので
  
  コアエンジンは自身の燃料である液体水素を流して、ノズル部を冷却していしています。構造はノズル部を冷却するように液体水素が流す何千本もの配管を繋いだ形状になっています。燃料を液体にしている理由はわかりますよね。常温だったら酸素も水素も気体で体積が何倍にもなってしまうので、ロケットに燃料としていくらも積めないです。”冷却すべき液体水素を利用して、ノズルを冷やす”という仕組みが一石二鳥で効率的に活用していますね。ノズル冷却時に液体水素もガスの熱をうばうので、液体水素も温度が上がり、気化しやすくなって、燃焼前に液体水素の温度上げるのにも一役買っています。(気化しやすくしておいた方が余計なエネルギー使わないので)。画像で見るとわかるように、配管の入りくんだ構造なので、金属のパーツごとに組み立ててそれを集合体にしていくという作り方をしているのだと思います。もちろん、パーツごとやユニットごとでの試験をしながらです。正しい流量が流れるか、金属は溶接が重要なポイントを占めるので、溶接に欠陥がないかなどを検査しながら、出来上がっていきます。

 

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LE-7A液体燃料ロケットエンジン
Wikipediaさんより引用)

 

一方、ロケットの初めの推進力を支える固体ロケットブースタは固体燃料を燃焼させて、やはり高圧高温のガスを吹き出し、推進力にしています。こちらのノズルはおなじみのFRP繊維強化プラスチックから作られた部品をメインに構成されています。もっとも熱がかかり厳しい条件の箇所は、あらかじめ炭素からなる材料を使っています。
FRPは高熱がかかると成分が気化して、残るのは炭化層だけになるので、初めからその炭素にしているのです。そうはいっても高温である程度、成分は気化していきますので高温高圧ガスにされされたあとは中身が多少すかすかになっています。その隙間にガスが入り、そこはそこで高温高圧ガスがその空間で入りこみ、ノズルがこのガスでやれてにくくしていくる効果があります。
ノズルの作り方はというとやはり1つづつのパーツで試験しながら形にし、それをこちらのノズルは接着していくことで形作っていきます。
ここは”金属と繊維強化プラスチックの違い”が大きくでているところです。

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固体ロケットブースタ
(JAXAさんより引用)
 
金属同士をくっつける場合、ねじなどによる組立か金属の接着ともいえる”溶接”でくっつけていきます。
FRPは繊維ですので溶接はできませんし、ねじによる組立も不向きです。FRPは強度はあるのですが、”もろい”のが特徴です。金属のように分子同士が強固につながっているものでなく、繊維を組んで、樹脂で固めています。繊維ですから、想像できるようにある方向に繊維がたばねられてできあがっているので、繊維を断ち切るような方向には強さを発揮しないのです。FRPにねじ組み付ける場合はどうしても繊維を切断する方向なので、繊維というよりプラスチックの部分だけでねじをおさえておくことになるので、弱いのです。
お風呂の洗面器にネジを立てるようなものです。ネジ山すぐにダメになりそうですよね。
 
ノズルを作るときのポイントは
 金属の場合は溶接”
 FRPの場合は接着”
の良否によって決まります。
溶接の場合は溶接した範囲がしっかり溶接されているか(溶接されていない箇所がないか、溶接割れを起こしている箇所はないか)”が非常に重要なのです。
 
そして接着の場合も同様で”接着した範囲がしっかり接着剤が入り込み接着されているか”というところです。
 
1ヶ所でも不安なところがあるとそこを起点に高温高圧ガスや燃料がもれ、打上の失敗につながりますから。(何十億円が一瞬で”パァ-”になります)
 
ロケットすべての部品がそうですが、ノズル部に関しては特に高温高圧にさらされ、燃料を供給する部分ですので、わずかなミスもなく作らなければならないものなのです。
 

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溶接部
MHIさんより引用)

Made in Japanの宇宙旅行は?

  以前、これからの宇宙旅行で記事を書きました。
 海外ではアメリカを中心に活発ですが、日本ではどうなんでしょう?
 
 技術大国、日本だからできるのではと思っている人も多いはずです
 
 日本では、大手企業はまだまだといった感じです。やはり、宇宙開発はまだ”お国だのみ”のところがあるので、まずはいろんな国の人工衛星を打ち上げられるように世界との競争力を持とうといったところです。
 
 宇宙旅行に関しては、ベンチャー企業での動きの方が盛んです。
 
 愛知にある”PDエアロスペースという企業さん。
 宇宙チャンネルと同じロケット開発エンジニアの方が作ったベンチャー企業です。
  
 空気のある高さではジェット機のように滑空飛行で到達し、その高さに到達したのち、
 ロケットエンジンの仕様に切り替え、燃焼させ、ほぼ空気のない大気圏の境目と言われる100キロを超える高さまで到達し、無重力空間を数分間体験します。
ちなみに100kmというと東京~熱海ぐらいまでの距離ですね。地図に置き換えると意外と近く感じます。
 
(PDエアロスペースさんより引用)

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 ジェット機のエンジンは酸素があるところなので、空気中の酸素を取り込み飛行機の燃料と反応させて燃焼させ、一気に高温高圧のガスとなり、それが勢いよく吹き出ることによって、前方に押し出されれて飛んでいきますね。原理は作用反作用の法則エネルギー保存の法則につながります。
 
一方、ロケットエンジンは高度が高く、空気中の酸素が使えない(酸素がない)ので酸化剤と燃料を反応させて、爆発的な燃焼により、推力を作ってさらに高度をあげ、無重力が体験できる高さまで機体を上昇させます。
 
 商業ビジネスとしては、2020年に実用化を目指し、現在はテスト段階中です。
 やはり、初めてのことをやるときには試行錯誤の繰り返しを積み重ねていき実現していくしか
 ないんだと思います。
 
 ”何が成功への近道か?”と考えた場合に
 
 ”軽量化”は重要なポイントかと思います。
 ロケットエンジンの燃料も重いので、機体の構造にはこのブロクでも
 何回か出てきているFRP(繊維強化プラスチック)が活躍します。
 あと、軽量化に貢献するのは電子制御機器の小型化も必要です。
  ノートパソコンがホント軽くなったよう にです。
 

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 あとは、この宇宙機ジェットエンジンロケットエンジンを切り替えるシステムですので、
 下町ロケットのようなバルブシステムも肝になるのだと思います。バルブの開閉をうまく作動できるか。バルブそのものの加工精度向上やシール部などの密閉性をいち早く確立することが大切

ですね。

 
 そして、忘れてはいけないこと。
 開発にも大きな費用がかかるので、資金力も重要なポイントです。資金を調達するには、資金を出してもらう企業さんにこの宇宙旅行が成功したときにはこんなにメリットがあるんです”ということを企業の方々に頭で想像できるぐらい具体的にしなければ響かないのかなと思います。
例えば、この宇宙旅行は ”ほんの数分間、宇宙から地球を眺める、無重力体験ができる”というものです。こう書いてしまうとなんだかそっけないですよね。なので、お客さんには”その宇宙へ行くまでの過程”も楽しんでもらうようなプランを立てる必要があるのではと考えます。
 
もちろん訓練などはあるのだと思いますが、”搭乗者同士が定期的なイベントで交流し、みんなで同じ過程を楽しむようにする”とか”宇宙飛行士”ならぬ”宇宙旅行者”として何か自覚できる”あかし(証)”のようなものをつくるとかです(荷物を積むものをサムソナイトと共同でアタッシュケースをつくるとか)。また、宇宙空間から宇宙の果てに届くように手紙を放出するなんていうオプションがついていたら面白いかもしれませんね。果てしない宇宙の必ずどこかにいる地球以外の生命体がそれを拾ってくれる…なんだか行きたくなりませんか?
といったような宇宙に行くまでもお客さんがたくさん楽しめるようなことを企画し、出資企業の頭の中で
自然と想像してもらえるぐらいにするのです。
 
そうすると出資してくれる企業さんの心をつかみ、出資がもっと多くの企業がしてくれるようになるのではと思います。
 
(PDエアロスペースさんより引用)

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流れ星(shooting star)は今日が一番見れそうです!

こと座流星群は今日の21時あたりから一番見れるピークのようです。
 
宇宙チャンネルの住んでいるところは現在は曇っているので、夜に雲がなくなれば良いですが。
 
流星群はどうやって発生するのででしょうか。
 
流星群は地球の軌道と彗星の軌道が交差している場合、地球がこの彗星の軌道に近づくと彗星の
軌道上はちりの帯になっているので、そのちりが大気に飛び込んできます。
高速でちりが大気圏に入ってくるので最近何回も出てきた空力加熱でちりが超高温となり気化し、
その高温の熱エネルギーにとなり、流れ星となるのです。
そのチリの大きさは1ミリ〜数センチ程度といいますから、地上のどこからでも見える流れ星の放つ光のエネルギーは非常に大きなものですね。
 
地球は1年で太陽の周りを回りますので、定期的に彗星の軌道と交差します。
なので、毎年同じ時期に”流星群”がみられる訳です。
 
(国立天文台さんより引用)

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今回の流星群の数は1時間に10〜15程と少なめですが、月明かりも少なく、流れ星の明るさも
通常の流れ星よりも明るく見える等級です。
(平均2.5等級ですが今回は2.1。等級は 書道何級とか同様に数が少なくなるほど、良い(星の場合は明るい です。)
よく見える条件は揃っているので、晴れていれば期待大です。
 
また、方向はまさに”こと座流星群”の”こと座”が表しています。
こと座は東の空の高い位置にあります。こと座に”ベガ”という1等級のかなり明るい星です。
この”ベガ”は実は七夕で有名な織姫星です。
なので、かなり見つけやすいと思います。
 
今日はなかなか見る機会のない方も東の星空を眺めてみてはいかがでしょうか。
宇宙チャンネルも晴れれば子供たちと一緒に流れ星を眺め、自分が実現したいことへの願いをかけたいと思います。
 

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なぜ ”はやぶさ、はやぶさ2”の再突入カプセル”は大気圏で燃えずに地球に帰還できるのか?

小惑星リュウグウ”の地表の物質を採取できたはやぶさ2。帰還予定は今年の12月、意外とあっという間に近づいてきました。もう今年です。

 

地球に戻ってくるときは”大気圏突入!”でも燃えないのはなぜかをご存知ですか?

 

ここは”はやぶさ”で大成功したので”はやぶさ2”でもほぼ改良しなかった点でした。

 

僕はこの”はやぶさ2”の開発の一部にかかわったので、そんなお話をしていきたいと思います。

 大気圏再突入は超高温 

はやぶさカプセルは1万℃まで上がる

サンプルを地球再突入時に守るのが、僕も製作にたずさわった再突入カプセル

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宇宙との境目,高度100kmで”大気圏突入”し、そこからは空気が存在してくるので空力加熱により地表に戻ってくるものは超高温にさらされるという現象がおきます。

 

※ ちなみに”大気圏”という言葉の意味は、対流圏→成層圏→中間圏→熱圏と僕たちが住んでいる地表から高度400kmほどの熱圏までを示しています。なので、100kmより高い位置でも大気圏なのですが、空気による加熱が始まるところ”大気圏突入”と呼んでいます。

 
隕石が地表に衝突する前に超高温でなくなってしまうのがほとんどなのはこの空力加熱のためです。
 
2010年に地球に帰還して映画にもなった”はやぶさ”、はやぶさ本体は空力加熱で燃え尽きてしまいましたが、小惑星のサンプルを採取したカプセルがオーストラリアの砂漠に帰還しました。
 
このカプセル、「なんで燃えなかったか?」というと、カプセルを形成する特殊な材料
によるものなのです。
 

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(JAXAさんより引用) 
 

温度の上がり方はスピードと高度で決まってくる

ちなみにはやぶさは1万℃ですが、宇宙飛行士が地球に帰ってくるときに使用されるロシアのソユーズでは約1500℃

この温度は再突入するものの速度と高度によって決まります。

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図は1326℃を保つには、高度に応じで速度を落としながらコントロールしていく必要があります。
 
速度を落とさずに落下した場合は超高温になり、耐熱が耐えれらなくなってしまいます。(図 赤線部:8km/s  5000℃近くなってしまう
 
 
この再突入時の温度の問題、スペースXは再突入時の減速をバルーンを使っておこなうことを考えていて、そうすることで今は1段ロケットだけ再使用しているものを宇宙空間まで飛んだ2段ロケットも再使用することを計画しています。
 
バルーンを使った技術は50年前ぐらいにNASAで開発されたものです。
 
すでにある技術にうまく利用してなるべくコストかけずに開発をすすめていくスペースXいやイーロン・マスク”コストを最も重視したロケット”のコンセプトがよくわかりますね。

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カプセルが燃えずに帰ってこれる3つの理由

カプセルの素材は炭素の繊維

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サンプルを熱から守るカプセル表面の材料はFRP:繊維強化プラスチックと呼ばれるものです。
 
車の内装や航空機の構造によく使われています。
 
繊維に樹脂を染み込ませたもので、それに熱と圧力をかけてつくるので、その時は炉にいれます。
 
使われる繊維は洋服で使われるような繊維とはかなり違うものです。
 
洋服の繊維は綿やシルクなどの天然の素材を使ったもの、ナイロン、アクリルなど石油から作られる合成繊維と呼ばれるものを使っています。
 
一方、FRPで使われる繊維の原料は炭素繊維(カーボン繊維とも呼ばれる)やシリカ繊維などがある。シリカは乾燥剤によく使われる”シリカゲル”のシリカと同じものです。
 
このカプセルは繊維としては炭素繊維を使っていて、原料となるものは先ほど洋服の原料として出てきた石油から作られる合成繊維を焼いて炭素だけにした繊維です。
 

この材料、すでに焼かれ炭素になっているので熱にはもちろん強い、そうはいっても耐えられるのは数千℃まで。

 

この炭素繊維が”燃えない”カギとなっている

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空力加熱で表面の温度は1万℃にもなるので、さすがにこの材料でも熱で気化してきます。

 

材料は固体から気体になっていくわけなので、気体になる時、空力加熱熱を吸収して固体から気体になっていく。

これが、カプセル自体を熱から守る1つ目の効果となります。
 
(水が沸騰して、蒸気になるのも同じ原理です。水は100℃で気化しますが、水が気化(蒸発)して熱を解放することでその100℃を保持しているわけですね。)
 
また、熱分解されたこの気体は”ガス”となるので、これによって直接表面が高温にさらされることを防いでくれる”シールド”になります。これが2つ目の熱から守る効果です。
 
気化した材料の残りは炭素繊維が炭化してものです。ロケットの燃焼試験などで炭素繊維が高熱でさらされたものを見る機会がありますが、本当に”炭”状態。
 
バーベキューの燃えカスでも残っているように熱には更に強い材料としてして残ります。
 
これが最後、3つ目の効果です。
 
なので、ぼくらが作る時に気を付けることは温度と圧力をうまくコントロールして、 われないように固める です。

 

固めたばかりは割れていなくても、時間が経ったり、削ったりすると内部の力が外にでてきて”割れていた”なんてことがあるので、温度と圧力の条件をいろいろ変えてベストのものを導いていきます。トライ&エラーを繰り返すわけですね。

 

そんな風にして作られるカプセルは3つの理由で燃えることなく戻ってくる。

 
この圧倒的な耐熱性を持っている材料は、ロケット・はやぶさなどで独自のもので、やっぱり値段が高い。
 
今後安くしていくには車などに使われているものを少し改良するだけでと同じ性能の材料をつくっていく。
 
スペースXと同じ作戦でコストを抑えていくようなことが、再使用しないロケットが再使用ロケットに対抗するポイントになってくるのだと思います。
  

 

 

小惑星が衝突したらどうなるか?

まず、衝突の前に小惑星は”大気圏突入時の空力加熱により消滅してしまうか”ということです。
以前ブログで書いた猛スピードでものが進むとその前面に圧縮された空気がたまり
そこに集中するので、空気内の分子がその狭い範囲で活発に動くのでそれが熱エネルギー
なり、非常に高温になる。
(ちなみに地球に戻ってきた”はやぶさ”の場合は10000℃です。
 この温度ですとすべての物体は溶けてしまいますが、なぜはやぶさは帰還できたか”は次回のブログに)
 
小惑星が鉄などの硬い物質で作られていたり、大気圏への突入角度が浅かったりした場合は
小惑星の形をとどめて、地表に降りてくる可能性があります。

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なお、大気圏突入角度が深い(地表と垂直に近いと突入角度が深いという表現)と
大気圏で十分に減速されず、先ほどの空力加熱で超高温となり消滅してしまいます。
(地表と平行に近い角度だと減速されて温度もおさえられます。ボールを垂直に落とすのと
 放物線上に投げて落とすのとスピード違うのと一緒ですね)
 
小惑星100m以下であると圧力変化に耐えられず超短時間で分解してしまいます。
分解により小惑星が持っていた熱エネルギー(超高温)運動エネルギー”爆発的なエネルギーの発散”となり、は超高温がその周辺に放出され、圧倒的なのエネルギー (紫外線など)、は超音速となり衝撃波を生みます。
 
そのことでその周辺の人間は一瞬で存在がなくなってしまうのですね。およそ100mぐらいの
小惑星だと関東平野が全滅という感じです。
 
映画”スターウォーズ ”で登場するデス・スターから発射されるスーパーレーザーも同様に強大なエネルギーを星に向けて、放射することにより、その星の生命体を壊滅させていますね。
 
小惑星が大きく、地表に衝突する小惑星の場合は、その大きさゆえにもっと恐ろしいほどのエネルギーを
放出し、周辺はもちろん地球全体規模の被害になってしまいます。
「小惑星衝突」の画像検索結果

そんな、小惑星の落下、予測できるのは2割程度予測しようと研究は進んでいますが、

その割合です。1km以上のものが21世紀中に衝突する確率は5000分の1。
確率は低そうに思いますが、予測はできないので、本当にそうなった場合は仕方ありませんね。
 
そして、そんなことを書いているうちにいつ起こるかわからないので、できることは
日々を大切に生きる”しかないかとおもいました。
日々を大切に生きる”とは宇宙チャンネルの場合は
”やりたいと思っていることをなるべく早くやろう”ということです。
”家族との時間を大切にする”、”このブログの目的でもある『日本の宇宙ビジネスをひろげたい!そして、宇宙ビジネスにたずさわる人を増やしたい”』ことです。

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一日一歩ずつでもそれを実現できるようすすんでいきたいと思います