宇宙ちゃんねる (Uchu Channel)

宇宙ちゃんねる(Uchu Channel)を通して現役ロケット開発者がわたし自身が語る、ロケット開発の生の声、宇宙や星に関するいろんな情報を発信しています。 そして、この発信からいろんな人に宇宙に興味をもってもらいたい、日本の自然科学・宇宙産業をもっと活発にしたいと思っています。

Made in Japanの宇宙旅行は?

  以前、これからの宇宙旅行で記事を書きました。
 海外ではアメリカを中心に活発ですが、日本ではどうなんでしょう?
 
 技術大国、日本だからできるのではと思っている人も多いはずです
 
 日本では、大手企業はまだまだといった感じです。やはり、宇宙開発はまだ”お国だのみ”のところがあるので、まずはいろんな国の人工衛星を打ち上げられるように世界との競争力を持とうといったところです。
 
 宇宙旅行に関しては、ベンチャー企業での動きの方が盛んです。
 
 愛知にある”PDエアロスペースという企業さん。
 宇宙チャンネルと同じロケット開発エンジニアの方が作ったベンチャー企業です。
  
 空気のある高さではジェット機のように滑空飛行で到達し、その高さに到達したのち、
 ロケットエンジンの仕様に切り替え、燃焼させ、ほぼ空気のない大気圏の境目と言われる100キロを超える高さまで到達し、無重力空間を数分間体験します。
ちなみに100kmというと東京~熱海ぐらいまでの距離ですね。地図に置き換えると意外と近く感じます。
 
(PDエアロスペースさんより引用)

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 ジェット機のエンジンは酸素があるところなので、空気中の酸素を取り込み飛行機の燃料と反応させて燃焼させ、一気に高温高圧のガスとなり、それが勢いよく吹き出ることによって、前方に押し出されれて飛んでいきますね。原理は作用反作用の法則エネルギー保存の法則につながります。
 
一方、ロケットエンジンは高度が高く、空気中の酸素が使えない(酸素がない)ので酸化剤と燃料を反応させて、爆発的な燃焼により、推力を作ってさらに高度をあげ、無重力が体験できる高さまで機体を上昇させます。
 
 商業ビジネスとしては、2020年に実用化を目指し、現在はテスト段階中です。
 やはり、初めてのことをやるときには試行錯誤の繰り返しを積み重ねていき実現していくしか
 ないんだと思います。
 
 ”何が成功への近道か?”と考えた場合に
 
 ”軽量化”は重要なポイントかと思います。
 ロケットエンジンの燃料も重いので、機体の構造にはこのブロクでも
 何回か出てきているFRP(繊維強化プラスチック)が活躍します。
 あと、軽量化に貢献するのは電子制御機器の小型化も必要です。
  ノートパソコンがホント軽くなったよう にです。
 

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 あとは、この宇宙機ジェットエンジンロケットエンジンを切り替えるシステムですので、
 下町ロケットのようなバルブシステムも肝になるのだと思います。バルブの開閉をうまく作動できるか。バルブそのものの加工精度向上やシール部などの密閉性をいち早く確立することが大切

ですね。

 
 そして、忘れてはいけないこと。
 開発にも大きな費用がかかるので、資金力も重要なポイントです。資金を調達するには、資金を出してもらう企業さんにこの宇宙旅行が成功したときにはこんなにメリットがあるんです”ということを企業の方々に頭で想像できるぐらい具体的にしなければ響かないのかなと思います。
例えば、この宇宙旅行は ”ほんの数分間、宇宙から地球を眺める、無重力体験ができる”というものです。こう書いてしまうとなんだかそっけないですよね。なので、お客さんには”その宇宙へ行くまでの過程”も楽しんでもらうようなプランを立てる必要があるのではと考えます。
 
もちろん訓練などはあるのだと思いますが、”搭乗者同士が定期的なイベントで交流し、みんなで同じ過程を楽しむようにする”とか”宇宙飛行士”ならぬ”宇宙旅行者”として何か自覚できる”あかし(証)”のようなものをつくるとかです(荷物を積むものをサムソナイトと共同でアタッシュケースをつくるとか)。また、宇宙空間から宇宙の果てに届くように手紙を放出するなんていうオプションがついていたら面白いかもしれませんね。果てしない宇宙の必ずどこかにいる地球以外の生命体がそれを拾ってくれる…なんだか行きたくなりませんか?
といったような宇宙に行くまでもお客さんがたくさん楽しめるようなことを企画し、出資企業の頭の中で
自然と想像してもらえるぐらいにするのです。
 
そうすると出資してくれる企業さんの心をつかみ、出資がもっと多くの企業がしてくれるようになるのではと思います。
 
(PDエアロスペースさんより引用)

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流れ星(shooting star)は今日が一番見れそうです!

こと座流星群は今日の21時あたりから一番見れるピークのようです。
 
宇宙チャンネルの住んでいるところは現在は曇っているので、夜に雲がなくなれば良いですが。
 
流星群はどうやって発生するのででしょうか。
 
流星群は地球の軌道と彗星の軌道が交差している場合、地球がこの彗星の軌道に近づくと彗星の
軌道上はちりの帯になっているので、そのちりが大気に飛び込んできます。
高速でちりが大気圏に入ってくるので最近何回も出てきた空力加熱でちりが超高温となり気化し、
その高温の熱エネルギーにとなり、流れ星となるのです。
そのチリの大きさは1ミリ〜数センチ程度といいますから、地上のどこからでも見える流れ星の放つ光のエネルギーは非常に大きなものですね。
 
地球は1年で太陽の周りを回りますので、定期的に彗星の軌道と交差します。
なので、毎年同じ時期に”流星群”がみられる訳です。
 
(国立天文台さんより引用)

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今回の流星群の数は1時間に10〜15程と少なめですが、月明かりも少なく、流れ星の明るさも
通常の流れ星よりも明るく見える等級です。
(平均2.5等級ですが今回は2.1。等級は 書道何級とか同様に数が少なくなるほど、良い(星の場合は明るい です。)
よく見える条件は揃っているので、晴れていれば期待大です。
 
また、方向はまさに”こと座流星群”の”こと座”が表しています。
こと座は東の空の高い位置にあります。こと座に”ベガ”という1等級のかなり明るい星です。
この”ベガ”は実は七夕で有名な織姫星です。
なので、かなり見つけやすいと思います。
 
今日はなかなか見る機会のない方も東の星空を眺めてみてはいかがでしょうか。
宇宙チャンネルも晴れれば子供たちと一緒に流れ星を眺め、自分が実現したいことへの願いをかけたいと思います。
 

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なぜ ”はやぶさ、はやぶさ2”の再突入カプセル”は大気圏で燃えずに地球に帰還できるのか?

小惑星リュウグウ”の地表の物質を採取できたはやぶさ2。帰還予定は今年の12月、意外とあっという間に近づいてきました。もう今年です。

 

地球に戻ってくるときは”大気圏突入!”でも燃えないのはなぜかをご存知ですか?

 

ここは”はやぶさ”で大成功したので”はやぶさ2”でもほぼ改良しなかった点でした。

 

僕はこの”はやぶさ2”の開発の一部にかかわったので、そんなお話をしていきたいと思います。

 大気圏再突入は超高温 

はやぶさカプセルは1万℃まで上がる

サンプルを地球再突入時に守るのが、僕も製作にたずさわった再突入カプセル

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宇宙との境目,高度100kmで”大気圏突入”し、そこからは空気が存在してくるので空力加熱により地表に戻ってくるものは超高温にさらされるという現象がおきます。

 

※ ちなみに”大気圏”という言葉の意味は、対流圏→成層圏→中間圏→熱圏と僕たちが住んでいる地表から高度400kmほどの熱圏までを示しています。なので、100kmより高い位置でも大気圏なのですが、空気による加熱が始まるところ”大気圏突入”と呼んでいます。

 
隕石が地表に衝突する前に超高温でなくなってしまうのがほとんどなのはこの空力加熱のためです。
 
2010年に地球に帰還して映画にもなった”はやぶさ”、はやぶさ本体は空力加熱で燃え尽きてしまいましたが、小惑星のサンプルを採取したカプセルがオーストラリアの砂漠に帰還しました。
 
このカプセル、「なんで燃えなかったか?」というと、カプセルを形成する特殊な材料
によるものなのです。
 

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(JAXAさんより引用) 
 

温度の上がり方はスピードと高度で決まってくる

ちなみにはやぶさは1万℃ですが、宇宙飛行士が地球に帰ってくるときに使用されるロシアのソユーズでは約1500℃

この温度は再突入するものの速度と高度によって決まります。

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図は1326℃を保つには、高度に応じで速度を落としながらコントロールしていく必要があります。
 
速度を落とさずに落下した場合は超高温になり、耐熱が耐えれらなくなってしまいます。(図 赤線部:8km/s  5000℃近くなってしまう
 
 
この再突入時の温度の問題、スペースXは再突入時の減速をバルーンを使っておこなうことを考えていて、そうすることで今は1段ロケットだけ再使用しているものを宇宙空間まで飛んだ2段ロケットも再使用することを計画しています。
 
バルーンを使った技術は50年前ぐらいにNASAで開発されたものです。
 
すでにある技術にうまく利用してなるべくコストかけずに開発をすすめていくスペースXいやイーロン・マスク”コストを最も重視したロケット”のコンセプトがよくわかりますね。

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カプセルが燃えずに帰ってこれる3つの理由

カプセルの素材は炭素の繊維

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サンプルを熱から守るカプセル表面の材料はFRP:繊維強化プラスチックと呼ばれるものです。
 
車の内装や航空機の構造によく使われています。
 
繊維に樹脂を染み込ませたもので、それに熱と圧力をかけてつくるので、その時は炉にいれます。
 
使われる繊維は洋服で使われるような繊維とはかなり違うものです。
 
洋服の繊維は綿やシルクなどの天然の素材を使ったもの、ナイロン、アクリルなど石油から作られる合成繊維と呼ばれるものを使っています。
 
一方、FRPで使われる繊維の原料は炭素繊維(カーボン繊維とも呼ばれる)やシリカ繊維などがある。シリカは乾燥剤によく使われる”シリカゲル”のシリカと同じものです。
 
このカプセルは繊維としては炭素繊維を使っていて、原料となるものは先ほど洋服の原料として出てきた石油から作られる合成繊維を焼いて炭素だけにした繊維です。
 

この材料、すでに焼かれ炭素になっているので熱にはもちろん強い、そうはいっても耐えられるのは数千℃まで。

 

この炭素繊維が”燃えない”カギとなっている

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空力加熱で表面の温度は1万℃にもなるので、さすがにこの材料でも熱で気化してきます。

 

材料は固体から気体になっていくわけなので、気体になる時、空力加熱熱を吸収して固体から気体になっていく。

これが、カプセル自体を熱から守る1つ目の効果となります。
 
(水が沸騰して、蒸気になるのも同じ原理です。水は100℃で気化しますが、水が気化(蒸発)して熱を解放することでその100℃を保持しているわけですね。)
 
また、熱分解されたこの気体は”ガス”となるので、これによって直接表面が高温にさらされることを防いでくれる”シールド”になります。これが2つ目の熱から守る効果です。
 
気化した材料の残りは炭素繊維が炭化してものです。ロケットの燃焼試験などで炭素繊維が高熱でさらされたものを見る機会がありますが、本当に”炭”状態。
 
バーベキューの燃えカスでも残っているように熱には更に強い材料としてして残ります。
 
これが最後、3つ目の効果です。
 
なので、ぼくらが作る時に気を付けることは温度と圧力をうまくコントロールして、 われないように固める です。

 

固めたばかりは割れていなくても、時間が経ったり、削ったりすると内部の力が外にでてきて”割れていた”なんてことがあるので、温度と圧力の条件をいろいろ変えてベストのものを導いていきます。トライ&エラーを繰り返すわけですね。

 

そんな風にして作られるカプセルは3つの理由で燃えることなく戻ってくる。

 
この圧倒的な耐熱性を持っている材料は、ロケット・はやぶさなどで独自のもので、やっぱり値段が高い。
 
今後安くしていくには車などに使われているものを少し改良するだけでと同じ性能の材料をつくっていく。
 
スペースXと同じ作戦でコストを抑えていくようなことが、再使用しないロケットが再使用ロケットに対抗するポイントになってくるのだと思います。
  

 

 

小惑星が衝突したらどうなるか?

まず、衝突の前に小惑星は”大気圏突入時の空力加熱により消滅してしまうか”ということです。
以前ブログで書いた猛スピードでものが進むとその前面に圧縮された空気がたまり
そこに集中するので、空気内の分子がその狭い範囲で活発に動くのでそれが熱エネルギー
なり、非常に高温になる。
(ちなみに地球に戻ってきた”はやぶさ”の場合は10000℃です。
 この温度ですとすべての物体は溶けてしまいますが、なぜはやぶさは帰還できたか”は次回のブログに)
 
小惑星が鉄などの硬い物質で作られていたり、大気圏への突入角度が浅かったりした場合は
小惑星の形をとどめて、地表に降りてくる可能性があります。

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なお、大気圏突入角度が深い(地表と垂直に近いと突入角度が深いという表現)と
大気圏で十分に減速されず、先ほどの空力加熱で超高温となり消滅してしまいます。
(地表と平行に近い角度だと減速されて温度もおさえられます。ボールを垂直に落とすのと
 放物線上に投げて落とすのとスピード違うのと一緒ですね)
 
小惑星100m以下であると圧力変化に耐えられず超短時間で分解してしまいます。
分解により小惑星が持っていた熱エネルギー(超高温)運動エネルギー”爆発的なエネルギーの発散”となり、は超高温がその周辺に放出され、圧倒的なのエネルギー (紫外線など)、は超音速となり衝撃波を生みます。
 
そのことでその周辺の人間は一瞬で存在がなくなってしまうのですね。およそ100mぐらいの
小惑星だと関東平野が全滅という感じです。
 
映画”スターウォーズ ”で登場するデス・スターから発射されるスーパーレーザーも同様に強大なエネルギーを星に向けて、放射することにより、その星の生命体を壊滅させていますね。
 
小惑星が大きく、地表に衝突する小惑星の場合は、その大きさゆえにもっと恐ろしいほどのエネルギーを
放出し、周辺はもちろん地球全体規模の被害になってしまいます。
「小惑星衝突」の画像検索結果

そんな、小惑星の落下、予測できるのは2割程度予測しようと研究は進んでいますが、

その割合です。1km以上のものが21世紀中に衝突する確率は5000分の1。
確率は低そうに思いますが、予測はできないので、本当にそうなった場合は仕方ありませんね。
 
そして、そんなことを書いているうちにいつ起こるかわからないので、できることは
日々を大切に生きる”しかないかとおもいました。
日々を大切に生きる”とは宇宙チャンネルの場合は
”やりたいと思っていることをなるべく早くやろう”ということです。
”家族との時間を大切にする”、”このブログの目的でもある『日本の宇宙ビジネスをひろげたい!そして、宇宙ビジネスにたずさわる人を増やしたい”』ことです。

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一日一歩ずつでもそれを実現できるようすすんでいきたいと思います

宇宙業界への就職マニュアル その④

 
あんな大きなロケットが”安心だ”とどう評価するのでしょうか。
 
本当はまるまるプロトタイプモデルのロケットを作って、様々な試験をやれば
いいのですが、ロケットのコストは大きさによってですが、よく飛んでいるH2Aロケット
80億、イプシロンロケットでも40億円弱です。さすがにコストがかさみますね。
お金がかかってしょうがない
 
そこで、”解析” で実際にできないことを補うということが出てきます。
ロケットの世界では解析専門の”解析屋”さんが活躍します。
 
例えば 熱解析、ロケットが燃焼している時に燃焼している周辺箇所にどのような熱がかかるか。
今の構造で熱でやられてしまところはないか。 
様々な条件、時系列で解析をします。
ロケットも燃え始めは輻射熱の影響で温度があがることは少ない、ずっと燃え続けていると
当然、熱量がたまってきて高温になり周りの部分が耐えられるかと考えなければいけません。
 
基本的に解析は専用ソフトがやってくれます。
じゃー、携わる人はどんな能力はどう身に着ける必要があるか。
     
そのソフトを使いこなせるベースとなる基礎知識がないとできないですね。
熱解析であったら、熱の流れ(流体)やロケットを構成する材料の強度、固体や液体燃料が燃焼反応するときに生じる温度など様々な知識が必要です。
 
なので、その道に行くには、主に機械工学(燃焼工学・材料工学・流体力学の幅広い知識のベースを
持っていると有利だと思います。
 
結局は前回  ”宇宙業界への就職マニュアル その③”の 機械工学の知識と書いているうちに同じなってしまいましたが😄
 
卒論や研究などで早いうちから解析をやって経験を積むことが”ロケット開発技術者”への近道になるかもしれませんね。
 
jaxaさんより引用)

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ジェット機もビジネスもエンジン1機でも飛ばないといけない?

宇宙(そら)”を飛ぶ飛行機とロケットは共通点は多くあるので、本日はちょっと

ジェット機で。

 

共通点の一つはどちらもなるべく燃料を少なく効率的に飛べるようにより軽く・強く

作るわけですが、ブログにも何度か書いている同じ”繊維強化プラスチック(FRP)”が

同じような構造で作られている部分があります。ジェット機のファンの部分となる

円筒形の筒は、ロケットとの胴体としても使われているんです。

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ジェット機はエンジン1機でも飛ばないといけない?”

ですが、国際的な取り決めでエンジン1機でも飛べなくてはいけないというのが

決まっています。

 

ロケットはもちろん、鉄道などもある箇所が壊れても、動き続けるようにしておく

”冗長性”を持たせるというのが当たり前となっています。宇宙チャンネルは

この”冗長性”というなんか言葉が好きです。サブシステムという言葉でもいいですね。

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これはビジネスでも当てはめていく必要があると思っています。

 

最近の例でいうと北海道のジャガイモ不作の問題。

スーパーの店頭からポテトチップスの在庫がなくなっていることが起きています。

もし、ポテトチップを作っているあるメーカーが”100% 北海道産ポテト”でしか

作っていなかったら、そのメーカーは途端に製造ができなくなくなり、スーパーに

ポテトチップスを並べることができなくなってしまいますね。

 

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なので、ビジネスでもこの”冗長性”が必要です。ビジネスではポートフォリオという

言葉が使われます。

ただし、扱うものはなんでもよいというものではありません。

大きなテーマはブレてはいけません。

 

例えば、街の写真屋さん。

主な収入源は近くの学校などの公共施設の集合写真や卒業アルバムなどの写真撮影です。子供人口はどんどん減っているので、小学校なども統合や閉校が進んでいて先細りです。

一方、カメラ女子など一眼レフでカメラ撮影などはずいぶん普及しています。

そこで、もともと”プロ”である街の写真屋さんが、”プロのような写真を撮る技術”をセミナーや講座を行ったらどうでしょう。また、レジュメにや動画にして、インターネットを通じて、全国の人にアプローチしていくなども展開をしていくこともできると思います。

このように”撮影技術”という一貫したテーマで仕事の幅”冗長性”を作っていくということはビジネスでも、大切だと感じています。

ただし、根底には”確かな実力”があった上で成り立つものですね。

ロケットもジェット機もビジネスも!

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宇宙業界への就職マニュアル その③

 
唐突ですが、ドラマ”下町ロケット”のバルブシステムでは何がキモだったでしょうか。
バルブシステムそのものも重要ですが、
重帝国重工に真似できない、佃製作所の”高い製造技術”でしたね。
 
この場合の製造技術は簡単に言うと
”何ミクロンという極限に近い精度でものをつくる”ことです。
 
そこでベースになってくるのが機械工学です。
 
機械工学と言っても幅は広いです。
 
主な項目だと
 ・熱力学
   熱が力学的な仕事を行う。
   分野になります。
   ロケットの場合、ロケットの燃焼にかかわる部分で必要です。
 
    下町ロケットですと、バルブシステムによってロケットの燃料
   (液体水素・液体酸素)を制御しますが、燃料(液体水素・液体酸素)を
    圧縮して燃やすことにより、高温高圧のガスを作り出し、それが一気に
    噴出すことによって、ロケットの推進力となる。
       ”熱がロケットを動かす力”となるのです。
jaxaさんより引用)

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 ・機械力学
   ”機械を動作をさせてものを動かす”
    分野になります。
   簡単な例でいうと、”自転車を動かす仕組みは人がペダルを動かす車輪が回り
   自転車動き出します。ペダルの回転をチェーンや歯車などで
   自転車のタイヤの回転に変換していますね。
 
    ロケットですと、ガスが一気に吹き出る部分:ノズルはロケットの姿勢を
   制御するのにいろんな角度に傾ける必要があるため、”アクチュエーター”と
   呼ばれる押し引きをする機械的に動くもので引っ張って傾けます。
   そのアクチュエーターは油圧や電動で動きますが、その動く仕組み
   先ほどの自転車の例と同じように
   様々な機械の組み合わせでロケットを動かす
   ことになります。
 
(アクチュエーター 宇宙博より引用)

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    物体が空気の流れや水の流れを受けた時に、
   どれくらいの力がどのようにかかるのか、
    力の流れのメカニズムを解明する
     分野になります。
  
     ロケットでいう流体は気体(空気や高圧ガス)になりますね。
   ロケットでの例ですと、ロケットの表面には機能上必要な突起物が出ています。
  (例えば、配線をしている部分のカバーなど)ロケットが超高速で進むときに、
  こう言った突起物がロケットをローリング(回転)させ、姿勢を制御できなくなる         原因になるので、あらかじめローリングしないように考えなければなりません。
  そのときに、超高速での空気の流れが突起物によってどうなるのかを知り、
  対策を打つ必要があります。
  ”ロケットを軌道通りに正確に飛ばす”
  ために必要となります。
 
(横浜国大さんより引用)
    

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 ・材料力学
   機械や構造物に負荷が加わったときの変形
   そして破壊の原理を研究する
    分野になります。
   ロケットに限らず、世の中のあらゆるものは
   ”どのくらいの力がかかったら変形または破壊するか”
   ということをあらかじめ知っておかないといけません。
   ロケットの代表的な例では、飛んでいる時は超高速で飛んでいますので、
   空気抵抗を受けますね。その時に紙や木でできている部分があったら一瞬で
   壊れてしまいますなので、その時にかかる力以上に強い強度の材料を
   選定しなければなりません。
 
ウィキペディアさんより引用)

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  話は下町ロケットに戻りますが、高性能のバルブシステムを作るには
  まず、その設計ができなければなりません。
  設計をするには、その材料の性質を知っていなければなりません。
 
しかし、ただ材料の性質を知っているだけでは、機械や人が出来うる超高精度の寸法を達成することはできません。
 
知った上で、どの加工方法・条件が最適かを多くの試作によって導き出すのです。
下町ロケットではそこが佃製作所しかでか出来ない”ノウハウ”んですね。
 
加工方法なども機械工学では一通り学びます。機械工学でいうと生産工学”という
ところで加工方法などを学ぶのかと思います。
 
(新価値想像展より引用)

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宇宙業界への就職マニュアル
第1回 化学、第2回 電気工学とお伝えしてきましたが、
 
機械工学はロケットを作るために全般に役立つものだと思います。
そこから、流体や熱や金属材料などのスペシャリストに成る選択肢も広がります。
 
まず、ロケットを作るためにどんな分野を学べば良いんだろうと
悩んだ時は、”機械工学”という道を進んでおけば、間違いはないかと
宇宙チャンネルは思います。

どうして宇宙に人がいるの?

もし、あなたにお子さんがいた時に、”どうして宇宙に人がいるの?”というストレートな
質問をされたことはありませんか。
 
先日、新幹線に乗っていた時、近くにいた4歳くらいの男の子がママにこんな質問をしていました。
ママはうまく答えられなかったようでした。
 
子供は思ったことを素直に投げかけるので、”そういえば・・・”という質問を
しますよね。
 
そんな時の答えはなんでしょう?
 
いろんな答えがあるかもしれません。
 
まず、真っ正直に考えると”人がいる宇宙ステーションとは?”と
いうことを知ることですね。
 
大きくは
(一つめの目的)
無重力空間での様々な実験や観測するため
  無重力の空間ではものを作っている原子が自由に動くので
  地球では作ることができなかった分子構造(原子のかたまり)ができることによって
 人にすごく役に立つ材料とかが作られるかもしれないのです。
 
 例えば、車のボディは主に金属(鉄)でできていますが、今までにないような
 鉄くらい強くてプラスチックのように軽い材料ができたら、車の燃費が1リットルで
 50kmぐらい走れるようになっちゃうようなことが起きるかもしれません
 
(二つめの目的)
宇宙が人間や生き物の体にどういった影響を与えるか。
  何百年後かの近い将来、人は海外旅行に行くように宇宙に行ってるようになると思います。
 ”火星で宝石発掘ツアー”とかあるかもしれません。いきなり宇宙に行く前に今は事前準備を
  宇宙ステーションでおこっている感じですね。
 みなさんも知っているように、無重力だと体に負荷がかからないので、筋肉や骨が弱くなってしまうなどもあるので、そういったことをどうやって解決していくかを日々調べたりしているのですね。
 
今までのは”真面目な答えですが”
お子さんに聞かれた時、こんな答えだったらどうでしょう。
 
宇宙人に見つけてもらうためだよ。
地球の中にいたら見つけらないかもしれないから、目立つようにしているんだ”
 
"人間は新しいことやものが好きなんだとよ。だから知らない宇宙に行くんだ。
人間が猿から人になったのはそういう風に新しいことやものが好きな猿が考えて火を起こす方法を考えたりして、人間になったんだよ”
 
お子さんが”宇宙が好き”になるような答えをだしてあげると、好奇心を持って宇宙や科学を
学んでくれるようになるのではと思います。
 
JAXAさんより引用)
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ロケットの作り方 第2弾 (人工衛星の放出部 ノーズフェアリング)

ロケットの作り方の前にそもそもロケットはどういったパーツでできているかを
説明しないとですね。
 
ロケットは大きく
 
①衛星格納部:ノーズフェアリング
②タンク部またはモータ部
③エンジン部又はノズル部
④継手部3
 
(JAXAさんより引用)

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     (イプシロンロケット)   
 
で構成されています。
1段式だと②〜④は一つづつですが、
2段、3段式となるとそれぞれ②〜④のパーツが増えていきます。
このように1段、2段.3段と順に切り離し、どんどん加速することによって地球の引力から脱出する方式で宇宙にいけるようになりました。これを発見したのは「ロケットの父」とよばれるロバート・ゴダード
 
これはNASA 火星探査ロボットの開発者でもある小野雅裕(おの・まさひろ)さんが書かれている新書”宇宙に命はあるのか”でも書かれていますね。(この本、技術者がかいたとおもえない語り口で引き込まれます。今度、紹介したいと思います)
 
接ぎ手部は金属の筒っぽなので、中に空間があります。
なので、ロケットの姿勢を制御したり、電源(電池)などの
電機的な機器を積んでいます。
 
前回はノーズフェアリング部でも衛星を積んでいないロケットの先端部:ノーズコーンと
呼ばれるものの作り方でしたね。
 

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今回は衛星を積んだロケットの場合の”ノーズフェアリングの作り方を
宇宙チャンネルも作った経験談をもとに書いていきたいと思います
 
 
ロケット全体がそうですが、ノーズフェアリングもなるべく軽く、でもG(加速度)などに耐えうる強さを持ったものでなければなりません。
 
そこで材料としては前回でたFRP(繊維強化プラスチック)またはアルミが使われます。
また、形状は衛星を宇宙空間に放出するのが使命なので、2分割形状になっています。
そして、ロケットの先端部には空力加熱がかかるので、熱に耐えなくてはいけませんので、
何かしらの耐熱対策をしています。
 

 

空力加熱をもう一度お話ししておきます。
 
空気が圧縮されると、狭い範囲で多くの空気が密集するので、空気の分子の運動が活発になり、
運動が活発になるということで熱を持つようになります。温度が上がるということですね。

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ロケットは秒速:何キロというすごいスピードで宇宙へ向かっているので、先端には空気の溜まり場のような場所ができます。その空気はそのスピードにより、圧縮された空気なんですね。
 
 
 
そんな色々な条件があるノーズフェアリングはどう作られているか

 

ノーズフェアリングの形をした大きな型にFRPのシート
中身にはアルミの蜂の巣構造(ハニカム構造と言います)をしたもの、段ボールの中身で
も時々あるようなこんな形状のものを敷き詰めていきます。
最後に内側となる部分には再びFRPのシートを敷き詰めていきます。
 
そして、FRPハニカムは接着でくっつけます。
 

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一連の流れの中でやはりまんべんなく接着が重要なポイントですね。
ちゃんと接着されていない部分があるとそこから剥離が進んでしまいますから。
セロテープも全面ビッタリくっついていると剥がしにくいですけど、一箇所でも
剥がれている部分があると簡単に剥がれしまうので一緒ですね。
 
他のものとの接合面は接着面に気をつかわなくてはならないので、手で仕上げています。
”加減”がわかるのはやはり人の感覚なのです。ここは今の機械ではできないところだと思います。
人工知能が発展し、”人の加減”もできるようになったら別ですが。
 
そして、最後は耐熱の処理です。
FRPは熱には強いのですが、打ち上げ時には先ほどお話しした空力加熱により強い熱が発生します。
なので、さらなる耐熱の対策が必要なのです。
 
耐熱には断熱性の発泡剤を吹き付けるか、耐熱用のコルクを接着する方法がとられます。
私、宇宙ちゃんねるはコルクを接着する方法しか経験がありませんが。
 
接着剤はあらかじめコルクに塗っておいて半乾き状態で接着します
そもそも接着剤は塗りやすくするために、ぬるぬるしていますが、塗ってからすぐですと
ぬるぬるしているからうごいていしまいますよね。なので、ある程度表面が膜ができて
触っても接着剤がつかない程度にしてから、接着します。
靴を修理するような黒いゴムの接着剤などもそうですね。
 
こちらもやはりポイントは満遍なく均一に接着剤を塗ることが大切です。
((レイヴン・フォトさんより引用)

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こんな結構長い道のりを経て、ノーズフェアリングが出来上がります。
 
機械化できるところは積極的に進めて、コストを安くしていかないといけないですが、
きもの部分はやはり”人の技術”で抑えないといけない。
 
一見、最先端のようなロケット作りでもそんな職人技のようなところは数多くあるところが
また面白いところです。
 
でも、これからはロケットそのものを安く作っていかないと、商売になりません。同じものを作るようなロケットのライン化をして、コストを抑えていくようなことが世界で戦う上で国産ロケットに不可欠になっていきます。
 
 

 

オリオン座と”ウルトラマン”の故郷が近い事実?

冬の星座といえばオリオン座ですね!
冬は空気中の水分が少ないので、気流の乱れが少なく、きれいに星が見えます。
 
オリオン座のすぐ近くにはM78星雲があります。
そうです、ウルトラマンの故郷です。といっても、ウルトラマンのM78は架空の設定なので
たまたまM78星雲ですが別といえば、そのとおりです。
(調べるとウルトラマンの設定時にM87とM78をまちがえてしまったのだとか)
 
実在のM78星雲は地球から1600光年、光の速度でいっても1600年かかる距離です。
ちなみに光の速度は秒速30万キロ、1秒で地球を7周できる速さです。
想像がつきませんね、そんなスピードで行けたら、海外の世界遺産めぐりは
東武ワールドスクエアでミニチュアの世界遺産をみるような感じでみれてしまいますね。
 
私たちが住む”銀河系”には2000~4000億個の星があるといわれています。
そして、銀河の数1000億個以上あると考えられいます。
ちなみによくきくアンドロメダ銀河”(宇宙戦艦”ヤマト”出てくるアンドロメダですね)は
銀河系の隣の銀河です。
想像がつかないような星の数なので、めぐりあわないですがきっとこの宇宙に
ウルトラマンのような宇宙人がいるのだと思います。

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超小型ロケット打ち上げ失敗の”本当の原因”はなんですか>

今週の月曜日、JAXAより1月の超小型ロケット打ち上げ失敗の原因について発表がありました。
 
完全な特定はできていなですが、ロケットの打ち上げ時にかかる振動により、
機器に電源を伝えたりするケーブルの被膜がやぶれ、電線がむき出しになり
金属面と直接接触したことでショートしてしまったという可能性が高いとのことでした。
 
そして、空気抵抗をなるべく抑えるためにカバーがケーブルを強目に抑えるような形状になっていたことや軽量化のために通常より細い電線にしていたことも被覆やぶれやすくなっている複合的な要因というのも書いてあります。
それは、少しでも性能を良くしようとした結果なのですけどね。
 
すこし小難しいことを書いてしまいましたが、本当の原因はなんだったのでしょう?
と考えてみました。
 
一言でいうと
  まず軽量化して何とか飛ばすことが大きな目的となり
  ”全体を俯瞰してみること”
がちょっとかけていたのかなと思っています。
 
他のロケットなどですと、接触する金属部分には樹脂製の”枠”のようなものを接着して擦れないようにすることが多いです。それぐらいでしたら、重くなるほどのものでもないので、気にすることもないと思います。
 
”ふっと”したした瞬間にそんな視点(全体像)でみれたら気付いたのかもしれませんね。
バック・トゥ・ザ・フューチャーでドク(博士)がトイレで頭を打ったとき次元転移装置を
ひらめいたように。
 
 
そうはいっても開発している人たちはそれに必死なのでなかなか俯瞰してみれないと思います。
そういう時は、”第3者による確認”がやっぱり必要なんだと。
 
違った視点で知識がある人がみることで、問題点が浮き彫りになってきたりしますからね。
 
リベンジがあるなら、”多くの目”でロケットをみることによって成功へみちびけるのだと
宇宙チャンネルは考えます。
 
(JAXAさんより引用)

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2年前に宇宙に飛んだ”はやぶさ2”はいまどのあたりにいるの?

約2年前の2014年にH2Aロケットによって打ち上げられた”はやぶさ”。

宇宙チャンネルも目の当たりにしたはやぶさ2について、ふと”どの辺にいるの”とおもい
調べてみました。
 
現在は地球から1.58億キロ、すでに地球と太陽との距離、約1.5億キロを超えています。
地球と月が38万キロ、赤道1周が約4万キロなので、赤道1周の3950倍の距離にあります。
といっても想像つかないですね。日本から出たはやぶさ太陽よりも遠い場所
あるということです。
 
今回のはやぶさ2では遠隔操作で小惑星に穴をあける”インパクター”というものが採用されています。はやぶさ2からインパクターを目標位置に切り離し、はやぶさ2本体が惑星の裏側にまわった時に小惑星に衝突させ、より深い穴を掘る機能が採用されています。この機能、火薬で作動するので、宇宙チャンネルも2年前にたずさわりました。新しい火薬だったので、種子島の打ち上げ場まで運ぶのに国(運輸局)に相談しにいったんですね。火薬なのでやはり法律にのっとっていろいろ規制があるのです。
 
また、改めて”はやぶさ2のミッション”を確認してみました。
やっていた当時はあまり感じなかったですが、”地球規模のミッション”なのです。
帰ってきたら間違えなくNHKスペシャルディスカバリーチャンネル
1時間番組が作れるとおもいます。
 
それは”地球や人類誕生のなぞを探すミッション”なのです。
今回目指す小惑星は太陽系が生まれたころ(約46億年前)の水や有機物が残されていると
言われています。水はどこからきたのか?そして水がないと生きていけない人間を含め
生きているものを構成している有機物はどうやってできたのか?そんな疑問を解くことが
できるかもしれないミッションなんです。
 
そして、その小惑星”Ryugu(リュウグウ)”と命名されています。国際天文学連合IAU)で審査→認められた国際的にも正式な名称です。
由来はその名がしめすように浦島太郎が竜宮城から玉手箱を持って帰ってきたようにはやぶさ2が Ryugu(リュウグウ)から地球や生命誕生のなぞを解き明かす宝物を持って帰ってくるように思いが込められた小惑星の名前なんです。
わずか直径700メートルの小惑星ですが、そこから”なぞ”が解き明かされたら
めちゃめちゃロマンがありますね。

 

そういう意味をかみしめながらやっていく仕事なんだなと改めておもう宇宙チャンネル。
その時は火薬を運ぶための資料作りに必死になっていました。打ち上げ場まで運べないと打ち上げができなくなってしまいますから。ただ、正しく安全に輸送できることを説明し、そういうミッションへの思い・意義を伝えれば、いい方向に向かう。もちろん国もわかってくれて、運ぶことができるようになったことを思い出しました。2018年にRyuguにたどり着き、ミッションを成功させ、2020年に地球に日本に帰ってくることを楽しみに待っています!
 
JAXAさまより引用)
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日本にはなぜ夏と冬があるの?(娘の質問コーナー)

寒い日に幼稚園の娘が、ふとこんな質問↑をしました。

”地球が太陽に対して、傾いているからだよ。夏は太陽に近くなり、冬は太陽から遠くなるから
 暑かったり寒かったりするんだよ”と答えようと思ったのですが、実はその答えは間違っていました。

ちなみに地球の軸は23.4度傾いています。

この傾きがあるため、夏は太陽の光がたくさん当たります。冬は逆の傾きとなるため、太陽の光が少なくなります。図で説明した方たわかりやすいのでこんな感じです。太陽と地球の距離は関係ないんですね。



風が強い日に真正面から風を受けるのと、斜め上から風を受けるのでは、
真正面から受けるの風の方が強いのと同じです。

その時に娘に
じゃーどのくらい遠いの
という距離の質問あったので

宇宙チャンネルも太陽と日本の距離まではわからなかったので調べてみました。

春分が1億4895万km
夏至が1億5199万km
秋分が1億5020万km
冬至が1億4720万km

地球が太陽を回る軌道(公転)は少し楕円なので、冬の方が
太陽からの距離は近いです。やはり、距離が関係ないことがわかりますね。

そして、日が一番長い日と短い日も地球の傾きに影響しているんです。
夏は図のように傾いているので、太陽の光があたり続ける時間が長いです。
一方、冬は短くなります。

赤道付近はいつも暑いですね。それはやはり今まで述べた太陽の光の受け方が関係していて、地球が傾いていても赤道付近はまっすぐに太陽の光があたりやすいので、いつも暑いんです。

 
 
そもそも地球はなぜ23.4度傾いているか?

これは実際のところ、いろいろな説がありますが、わからないそうです。
地球は宇宙のチリやガスが集まって作られました。その時には回転しながら集まったのですが、最後に大きいチリやガスが来て、そのために傾いたのではという説もあります。

今は地球誕生46億年の一瞬ですから、いつか巨大な隕石が衝突し、地球の傾きや回転がかわるということが起こるのだと思います。
いつかは何千万、何億か相当先のお話だとは思いますが( ^ω^ )
 
 
 

天気予報には何個の人工衛星が必要なんだろう?

最近、ロケットの打ち上げが多いという記事を先日書きましたが、
そんなにどんな人工衛星を打ち上げているの?”という
質問がありました。

31回中、4回が気象衛星ひまわり”です。
では、天気予報に4個の人工衛星が必要なの?”と
思うかもしれません。

実際には”1つ”のひまわりで運用しています。

現役で動いているのは”ひまわり8号”です。
2014年にH2A 25号機で打ち上げられました。

そして残る2機は
ひまわり7号、9号です。

7号は運用を終え、待機となっています。

そして、9号は最近2016.11月に打ち上げられたばかりの人工衛星です。
車にタイヤのスペアタイヤがあるように、9号は8号のバックアップです。
もし、8号が壊れたら、7号も使えますけど、性能が全然違うようなので
今放送している天気予報の画像や精度が粗くなってしまいます。

パソコンと同じでスペックのいいのを快適に使っていたら、古いパソコンは
あっても、使わないですよね。

ということでひまわり9号は8号運用終了まで待機中ですが、”要では”
と思います。


また、人工衛星はずっと使えないのでしょうか?と思う方もいるかもしれません。

その答えは”×”です。

厳しい宇宙空間で耐えるには耐久性を重視して作られていますが、
最終的には噴射する燃料がなくなります。


静止軌道上での人工衛星は地球と同じ速度(24時間)で回っているので、こちらから見ると止まって(静止)いるように見えて、常にその位置なので、上空の気象を常に観測できます。”静止衛星”なんて呼ばれ方もありますね。

衛星が反対、ブラジル側に行ってしまったら日本の天気を写せないですよね。
ただし、”静止”といっても太陽風であったりで影響をうけます。そうすると少し軌道が動いてしまうのですね。
その微調整のために、ノズルから噴射をします。少しずつずれるたびにこの”噴射”で軌道修正をしているので、噴射の為に必要な燃料が少しずつ減っていきます。そして、その燃料があと1回分の噴射分しかないという状況になったとき、その人工衛星は役目をおえます。

あと1回分の燃料は何に使うか?ですが、
その静止軌道から外れるための噴射”につかうのです。

静止軌道も衛星で混んでもいるので、使わなくなった人工衛星は違う軌道に移すのです。
そのあとは、外力がない限りはある軌道を永遠に周り続けます。

近い将来には、もっと気象衛星の精度があがり、
1分後に雨が降るなんていう予測ができる時が来るのではと思います。
雨にうたれることがなくなるかもしれませんね。

気象庁より)





                                                                                                                                                                                             

H2A ロケット打ち上げは2か月に一回のペースで

こんにちは、宇宙Ch.です。


少し遅くなりました、今週の火曜 1/24に H2A ロケット32号機が打ち上げられました。

打ち上げ成功は32回中31回となり、ここ数年は安定してきています。
なので、ロケットを作る側としては、開発要素がないので淡々と作っているというのが
最近感じることです。

ただ、タイトルにあるようにH2Aロケットは最近、2ヶ月に1回のペースで打ち上がっており、
淡々と言いながらもスピードをアップして作っています。

大きなものなので、すぐにできるというものではありません。
なので、仕込みは1年以上も前から、打ち上げ日程に合わせて作っているんです。

日本酒を米から作るように、早くから仕込みをしながらです。

ロケットの部品は数万点にも及びます。なので、キーになる部品をおさえて、足が長い部品をまずははじめに作り始めます。
 
はじめにスタートするのは、金属の大きな塊 ”鍛造品”というものです。
金属の素材を溶かして、固めていくというものですが、そんなに沢山の数が出るわけではないので、金属メーカーさんに頼むと順番待ちに成ってしまうので、早く注文して順番を待たないといけないんです。
(やはり数が大きいものには勝てません。建築部材とかですね)

3月にも打ち上げがあり、来年度の同じペースで打ち上がります。もちろん、今から仕込みはやっていますが、同じものを作る中でもそれなりに苦労があるロケット作りです。
 
jaxaさんより引用)